日蓮聖人の生き方
法華経との出会い
法華経信仰と人生
戦争と平和を考える人に
日蓮聖人による立正安国は、何よりもまず民衆の現実的な苦脳、社会苦・生活苦というべきものを自らの痛苦とし、その民衆の受けている共通の苦しみを自分の一身を担い、一切の苦しみ自らがかわって引き受ける「代受苦」の心をもって、社会的・国家的・人間的苦悩を根源から断ち切ってゆこうとするところから実践されたものであった。「一切衆生の同一の苦を受くるは悉くこれ日蓮一人の苦なり」という基本的姿勢からを忘れることはできない。日蓮聖人の立正安国の思想は、この世の平和と幸福をもたらす法華経の大善に帰し、この法華経を信ずる人間の心の共同体をつくりあげるならば戦争を許さず人災をおこすこともない平和な世が実現する。日蓮聖人は、たとえ身体が違っても心が同じであれば万事を成就できるのであり、いかに多数であっても心がバラバラであれば戦いに敗けるだけでなく大事なことも実現できない、と述べている。政治は数であり、数は力であり、力はカネだといった現在のようなものの考え方を真っ向から否定している。日蓮聖人の目指したものは、「日蓮の一類は体は違っても心が同じであれば、人は少なくとも大事を成しとげ、きっと法華経はひろまる」という法華経信仰に基づく教えである。
◎悪は多けれど一善に勝ことなし
