戦争と父
是の如き我聞きき(恩師より)
人間が人間を殺す。こんなことがあっていいはずはない。殺人罪になっても当然なことが戦争では勲章ものや。人間だけやない、自然を破壊し、大地をまととして生きている虫や動物ま草や木も何もかも無差別に殺す。
人間、これほど驕り高ぶってええもんやろか、ええはずはない。戦争で死んだ者の恨み悲しみを忘れたらあかん、みんな戦争は嫌いや。一握りの好戦者が、もっともらしい口実を作って戦争をおこす。
父は大空襲に遭った。猛火の中を住み慣れた家に踏みとどまり何かを守ろうとした。
しかし、ものすごい落下音と共に爆発して火を吹く焼夷弾に手をほどこしようもないまま密集した周辺の家と共に火災に包まれてしまった。
自らは猛火の中にとり残され命もこれまでと覚悟をきめ一段と大きな声で御題目を唱えているとクサリを引きずった犬が炎の中を走りいくのが見えた後を追うと不思議にも活路が開け九死に一生を得る事ができた。
人の行為は心の動きの顕れである。戦争を引き起こすのも心の行為なのだ。
「心の師とはなるとも、心を師とすることなかれ(六波羅密経〉)」と、御釈迦様は仰った。
御題目の信仰が心の制御となり「南無妙法蓮華経」が心の師となるんや。
石川浩徳さんの著書より
