徴収法:保険関係の一括1 有期事業の一括 | 簡単!! 社労士勉強法
2016年12月26日(月) 08時05分57秒

徴収法:保険関係の一括1 有期事業の一括

テーマ:H29徴収法

労働保険の保険関係は個々の事業や事業所ごとに成立します。

ということは、いろんなところに現場があれば、それぞれごとに役所に持って行かなきゃいけません。

でも、実際の業務では、事業所ごとにバラバラに申請するのなんて面倒ですよね。

 

そんな場合、徴収法では、「保険関係の一括」という方法により、別々の保険関係をひとつにまとめることができきるんです。

 

 

 

●一括の定義

有期事業である建設の事業立木の伐採の事業において、同一の事業主が一定の要件に該当する場合、1個の保険関係として取り扱うことになります。

 

もうちょっと分かりやすく書きますね。

白猫建設ではA現場とB現場とC現場の3つを請け負っています。

二元適用事業である建設業の場合、本来なら労災保険は個々の現場ごとに計算して処理しなければいけません。

でも、各現場には、現場作業をするおっちゃん達しかいないんで事務処理なんてできません。

こんな場合に、(現場ごとにやらなくてはいけない保険関係を)本社でまとめて処理しよう、、、




これが有期事業の一括です。

 

 

有期事業の一括の場合は、事業主の申請などは必要ありません。

一定の要件さえ満たせば、法律上当然に一括有期事業」となります。

で、なったらどうなるのかというと、これらの事業は有期事業のくせに、扱い的には継続事業とみなされます。
 

 

 

●一括の要件

一定の要件というのは、以下のとおり。

①事業主が同一人であること
②それぞれの事業が、有期事業であること
③それぞれの事業規模が、以下のいずれにも該当すること
 ・概算保険料の額に相当する額が160万円未満
 ・建設の事業・・・請負金額(税抜き)が1億8000万円未満、立木の伐採の事業・・・素材の見込生産量が1000m3未満
④それぞれの事業が、他のいずれかの事業の全部又は一部と同時に行なわれること
⑤その他厚生労働省令で定める要件に該当すること(労災保険料率表に掲げる事業の種類を同じくすること など)
 

事業規模の要件が「未満 かつ 未満」になっているところに注意・・・

規模の小さい事業を対象としているんですね。

 

また、「同一 or 隣接県内の都道府県労働局」で行われる事業しか一括できません。

ただし、機械装置の組立て・据付の事業だけは地域の制限がありませんので、日本全国どこの仕事であっても一括することができます。

 

 
「それぞれの事業が他のいずれかの事業の全部 or 一部と同時に行われる」という意味は・・・?

 

 A現場   ←─工期─→
 B現場      ←─────工期──────→
 C現場                   ←工期→

 D現場                      ←─工期─→
 

のように、どれかとどれかの現場工期が重なっていればOKということです。

 

 

 

●届出

一括有期事業の事業主は、一括有期事業(最初の事業)を開始した日から10日以内に、保険関係成立届を提出しなければいけません。

 

この届出をしておけば、あとは一括の対象となる各事業を開始するたびに、その事業を開始した日の属する月の翌月10日までに、一括有期事業開始届を提出するだけですみます。

事務処理の軽減を図ってくれているんですね。 

 

 

 

●その他

なんでもかんでもひとまとめにできるわけじゃありません。

一括できるのは「労働保険の納付に関する事務」についてだけです。

 

「雇用保険被保険者に関する事務(届出など)」や、「労災・雇用保険の給付に関する事務」、「印紙保険料の納付に関する事務」などは一括されませんので、注意してください。

 

 

 

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