ほんとうに間が空いてしまいました。3月は最初で最後の更新になりそうです。
この標題のシリーズ、最後は、いろんな事情で学習に遅れがあり、知的障がいの社会の内容に近いものを学習しているグループの事例です。
この学校に赴任したとき、当時の学校長から
「教科書にとらわれず、生徒の実態にあわせて、生徒たちが社会の時間が楽しみになるような、そんな授業をやってほしい」と言われました。
卒業前の高校3年生2クラスの授業でしたので、次の方針で授業を行うことにしました。(途中から加えた方針もありますが・・・)
・日本の各地域の地理、歴史、産業、観光資源等、を主な学習内容にする。
・社会に出てからの余暇を前提に、そこに行ってみたくなるような内容を用意する。
・自分の意見や感想を、積極的に発表できるようにする。
・個々の生徒が知っている、各地域の関連情報をできるだけ発表してもらう。
・生徒の興味や関心の様子から、臨機応変に掘り下げて学習するようにする。
近隣の県で、生徒が行った経験が多いであろうと思われる県から学習を開始し、次の県は生徒に選択してもらうような方法をとりました。
身近な県内地域を思ったより知らないことが分かり、年度後半は県内をブロック分けして教材としました。
また、校外学習の行き先や利用交通機関に絞り込んだ学習も行いました。(○○城の歴史、構造、城下町の名残、〇〇電鉄の歴史 テーブルマナーの歴史、ホテルの業務について など)
当初は、パワーポイントで、できるだけ具体的な写真資料を掲載したもので授業を行なっていました。
が・・・、学校のネット接続環境の問題(接続制限)で、興味関心に応じて内容を掘り下げることが難しいという問題が生じました。
そこで、6月に個人的に導入したiPad2のミラーリング機能を利用して、パワーポイント教材をPDF化したものを使って授業を行い、生徒の様子に応じて関連の深いサイトを見たり、Google Earthを使って位置情報や大きさを見たり、関連動画を視聴したりするようにしました。
Google Earthで、地元の前方後円墳と大阪百舌鳥古墳群の巨大前方後円墳の規模を実感した際には、5世紀の日本の状況まで関心を深めることができました。
事前に、生徒の関心に応じて、どのサイトやどの動画を利用するかの準備に時間がかかりましたが、生徒の授業への集中度合いは大幅にアップし、自分から関連情報を発表し、関心の深いことがらへの質問も増え、自分で下調べして発表する生徒も出てきました。
そうなると、私の授業準備も生徒の授業態度によって強化され、より効果的な教材が用意されるようになったと思います。まさに、相互作用ですかね。
なによりiPad利用で、授業展開に余分な間がなくなったこと、常に生徒の方を向いて授業を行うことができるようになったことは、展開や評価で大きな効果がありました。また、教材の拡大表示がスムーズに行えるようになったことも評価できると思います。
☆彡 もうひとつ、iPad活用で効果的だった事例を紹介します。
集団の中で学習することが苦手で、2年生まで一度も教室で授業を受けることができなかった生徒がいました。
別室に登校して、家庭で行なった課題を中心に個別学習が行われていました。
社会科も、提示教材を改変した課題を用意して当初は対応していました。
たまたま、授業の空き時間に登校してきたので、試みにiPadで教材を提示してマンツーでの授業を行なってみました。
20分ほどの授業でしたが、画面に集中して説明を聞くことができました。
そんな授業を2~3回経験したある日、社会科の授業直前に投稿してきたので、教室で一緒に授業を受けるように声をかけてみると、なんと入室して50分間授業に参加することができました。直後の別の教科も、副担任の授業だったせいか、そのまま教室に残り、2単位時間連続で授業を受けることができました。
それまで、大好きな体育に時々参加することはあったようですが、教室での授業参加は画期的な出来事でした。
その後、この2時間の授業参加は、ほぼ定着し、2学期以降は慣れた教師の授業には参加できるようになり、3学期には委員会活動までできるようになりました。
授業参加への不安が、授業展開に見通しがついたことがきっかけで和らぎ、授業参加につながったのではないでしょうか。iPadへの目新しさがもたらした効果も大きいでしょうね。
「授業が持ち歩ける」 これは、いろんなところで使えそうですね。
今日は、送別会明けで、午前中休んだせいで更新できました。
これから怒涛の年度末年度始めを迎えます。
次の更新の見通しが持てません。数少ない読者のみなさん。気長に待っていただけるとありがたいです。