はぶちゃんに送ってもらって家に帰ると
玄関でお母様が待っていた
(お帰りなさい)
「ただいま、お母様」
(友香、ちょっとお話があるの
着替えたらリビングに来てちょうだい)
「わかりました」
リビングへ向かうお母様を見送ってから
私も自分の部屋へ向かった
なぜだか嫌な予感がする
着替えを済ませちょっと早足で歩いた
(そんなに焦らなくてもよかったのに)
「いや、なんとなく…です」
(そうじゃあ話すわね)
「はい」
(友香の結婚相手が決まったわ)
「……っはい」
ついに決まってしまった
それが私の感想だった
私の家、つまり菅井家は代々
親の決めた結婚相手と結ばれるのが決まりらしい
今時にそんな家がまだあるのかって話だけど
私の家がそうなんだから認めるしかなかった
(顔合わせは来週の土曜日よ)
「来週の土曜日」
その日はダメだ
はぶちゃんとの約束がある
「あのっお母様
土曜日は予定が入ってしまってるので
日曜日にしていただけませんか?」
(それはとても大事な用事なの?)
「はい!とても」
(はぁ、わかったわ交渉してみる)
「ありがとうございます」
お母様から日曜日で良くなった
という連絡が来たのは3日後だった
あっという間に日は流れ
今日は土曜日、約束の日だ
私は自分の想いをはぶちゃんに伝えると決心して
待ち合わせに向かった
「お待たせっ!はぶちゃん」
「全然待ってないよ?」
「本当に?」
「ほんとほんと行こっか」
「うん」
休日の水族館は人がいっぱいで
はぐれないようにって
またさりげなく手を繋いでくれるはぶちゃんに
ドキドキしながら水槽を見て回った
「ゆっかー!イルカショー始まるよ!」
「行こう!」
定番のイルカショーを見たり
ふれあいブースに行って小さなサメを触ったり
たくさん笑いあった
楽しい時間ははやく過ぎて帰る時間になってしまった
最後にもう一回見に来たいねって話してた
大水槽の前にはちょうどショーの時間だからか
人はまばらでここでなら言えるかなって
「あのね、はぶちゃん
今日は言いたいことがあるの」
「どうしたの?」
「私ね
はぶちゃんのことが好きなんだ」
「…うん」
「でもね
私は親が決めた相手の人じゃないといけないんだ
今時にそんな家あるのって思うよね」
「そんなこと」
「私は、わたしは!
はぶちゃんとずっと一緒に居たいの」
「泣かないでゆっかー
私もゆっかーが好きなんだずっと前から」
「ほ、んとに?」
「うん、本当に」
「なら私を…連れて行って?」
「いいの?」
「はぶちゃんと一緒に居たいから」
「わかった」
はぶちゃんは強く手を握って走り出した