今日は土曜日
守屋さんと出かける日なんだけど
「ゴホッゴホッ」
風邪をひいてしまった
「38.5か熱あるね」
「約束…ケホッ…してたのにな」
「みずのすけ君?」
「クラスの子」
なんか守屋さんの名前を出すのは恥ずかしくて
にごしてしまった
「そう、お詫びの連絡しとくのよ?」
「うん」
とりあえずメッセージを送ろう
〔おはよう}
〔今日の約束風邪ひいたから行けなくなった}
〔ごめん}
これでいいかな
なんか頭がふわふわしてきて
もうひと眠りしようと目を閉じた
ゴトッ
誰かがいる気配と物音に目を覚ました
でもまだ身体がだるくて頭が回らなくて
目を開ける気になれなかった
「母さん?」
多分母さんだろうと思って
声をかけても返事はなかった
何かおかしい
呼びかけた瞬間なにも音がしなくなった
「誰、ですか?」
目を開けるのが怖かったから
もう一度呼びかけてみる
「えっと「ゴホッゴホッ」
「だ、大丈夫⁉︎」
「ゴホッ…守屋…さん?ゴホッ」
いきなり声を出したからまた咳が出始めた
心配する声は聞き間違えじゃなければ
守屋さんのものでうっすらと目を開けてみた
「うん」
「本当だ…ケホッ」
「びっくりさせてごめんね」
「ううん、大丈夫だよ」
「あ!菅井くんのお母さん買い物行っちゃって
起きたらおかゆと薬飲ませてって言われたんだけど」
ん?てことは守屋さんに迷惑かけてる?
「え、あ、ごめん!ゴホッゴホッ」
「だいじょーぶだから落ちついて?」
「う、うん」
とりあえず動けるくらいには
回復したと思うからリビングへ移動する
先に行っていた守屋さんがおかゆを温めてくれてた
「勝手にキッチン使ってごめんね
もう少し待ってて」
「ううん、ありがとう」
キッチンに立っている守屋さんを
リビングのソファーに座って眺めてると
守屋さんと結婚したら毎日こんな感じなのかな
って何考えてるんだ
きっとまだ熱があるからそのせいだ
「お待たせっ
熱いから気をつけて食べてね?」
キラキラ笑顔で言ってくるから
さっきの妄想がまた浮かんできてしまった
打ち消そうと急いでおかゆを口に運ぶ
「あっつ!」
「熱いから気をつけてって言ったのに!」
「ごめん」
「もう!貸して?」
瞬間にレンゲを取られた
こんな状態の僕でもさすがに
何されるかは理解できる
「フーフー、あーん」
やっぱな
予想は当たっていて戸惑ってしまう
「ほら早く!」
「……あーん」
「どう?」
「おいしい、です」
「よかった」
レンゲを取り返そうとしたけど返してもらえず
結局全て食べさせてもらい
薬まで用意して貰ってしまった