無料法律相談 ~相談して、本当に解決に近づきましたか?~
こんにちは。司法書士の須永みわこです。
千葉県松戸市で司法書士事務所を開業しています。
裁判関係業務をメインとしている、司法書士では珍しい事務所です。
今日は、法律相談の中でも「無料法律相談」にスポットを当ててお話したいと思います。
みなさん、法律相談に行かれたことはありますか?
または電話相談をされたことはありますか?
それは無料でしたか?有料でしたか?
そのとき、抱えている問題は解決に近づいたでしょうか。
我々、司法書士は、通常法律相談の相談を受ける側です。
法律相談には、有料と無料の2種類があります。
有料の場合は自分の事務所での面談が基本ですが、無料の場合は「司法書士会」や「市役所」などが主催していることが多く、「相談会場」で相談が行われます。
無料法律相談は、我々も全くのボランティアで行っているわけではなく、主催者から(わずかですが笑)報酬をいただいています。
司法書士会ならばその会の「無料法律相談」の相談員に予め登録しておき、年度初めにスケジュールが割り振られます。
それを「当番相談員」といいます。
よく弁護士や司法書士が「その日は、〇〇相談の当番なので」といいますが、それです。
なぜ、法律家が「当番相談員」に申し込むのか?
いくつか理由があります。
・新人だから(当番はなかなか人気がないのです・・・)
・法律家としての研鑽の場として
・事件受任のきっかけを得られる
などなど挙げられます。
当番相談員のスケジュールは意外とハードです。
予約制の場合は1時間に1人などと決まっており、それ以外の方はお越しにならないので相談に集中できますが、予約制でない場合は相談すれど終わりがなく、相談者がずっと列になって並んでいるという状態が続くこともあります。
また、電話相談の場合は、さらに過酷です。
司法書士会の電話相談は、午後2時から午後5時ですが、ずーっと電話が鳴り続けます。3時間で20件近く相談を受けても、「つながらなかった」という声をいただくこともあります。
私は、無料法律相談で相談を受けた方から、後日、事件の委任をいただくことも多いのですが、「先生、最初のとき相談して解決したような気になって、安心して帰ったんだけど、翌日さっぱり分からなくなっちゃった」「でも、安心できたからとにかくそれはよかった」というようなことを言われることが多いです。
確かに、そうだろうな・・・と納得できます。
簡単そうに見える事件でも、法律的な説明を1度聞いて納得して、「今後自分がどう動くか」ということを理解して帰り、それを翌日以降に自分で実行するというのは、なかなかできるものではないと思います。
法律相談の目的、というのは人それぞれだと思いますが、主に「抱えている問題を法律的に正しく認識し直し、解決に向けて相談後に目途がついて、自分で準備ができる(または依頼できる)」ということではないでしょうか。
「抱えている問題」は、相談者自身が正しく認識できていないことも多くため、相談の場で専門家の立場から掘り下げて問題の本質を捉え、お伝えすることもあります。
相談者の方からすると、自分が認識していた「問題」は実は自分が思っていたのと違う問題であった、ということもありますので、そこで混乱が生じます。
それを再認識する、というだけでも人間の脳にとっては大仕事です。
専門家からすると、「無料法律相談」では、我々は話したいことの半分も話せないことが多いです。
初対面でお会いして、検討するのに充分な資料もないままお話だけ伺い、それに対して法律的な筋道で説明し、解決の方向を探るというのは、非常に難しいことです。
法律相談では、相談者自身が話したことや持参した資料だけでは容易に表れてこない事情が必ずあり、安易かつ断定的なアドバイスが思わぬトラブルに発展することも多いものです。
持参された資料によっては、一般論しかお話できないこともあります。
相談時間が長くても1時間ということがあり、相談者の方は「解決するのにはっきりしたアドバイスが欲しい」と欲求があり、そういうことを言ってくれる法律家が歓迎されがちです。
しかし、「無料法律相談」では、断定的なアドバイスはできないというのが、我々の共通認識であります。
法律相談で法律家が行う助言の内容ですが、以下のように分けることができます。
レベル1 関係する法令・制度等が正しく指摘できる
レベル2 解決の方向性・手続きの流れが正しく指摘できる
レベル3 期待できる有利な結果の内容を正しく指摘できる
レベル4 「勝率」を根拠と共に正しく指摘できる
無料法律相談では、レベル2までアドバイスできるかどうか、というのが正直なところだと思われます。
「無料法律相談」だけでも、こんなに書けるんですねえ。自分でも驚いています。
それでは、どのようにすれば「無料法律相談」が、相談者の方にとって、より深みのある有意義なものにできるのでしょうか?
そのヒントは次回に書きたいと思います![]()