法テラスを知っていますか? ~訴訟閲覧のススメ~
こんにちは。司法書士の須永みわこです。
千葉県松戸市で司法書士事務所を開業しています。
裁判関係業務をメインとしている、司法書士では珍しい事務所です。
さて、前回の続き「法テラス」のことについてお話してゆきます。
私は、以前「法テラス」の審査委員をしていたことがあったのですが、法テラスで「審査」をしていると、法律家として非常に勉強になります。
限られた時間で、事件の概要を読み込み、内容を把握して基準に合致しているかの審査を行うわけですから、訴状や準備書面等の書面を読み込む力がつきます。
もちろん、あくまで「審査」のために読んでいるので、職業上の秘密保持義務を守っていますが、自分の担当する以外の事件の記録を読むというのは、法律家でもなかなかないことです。
私も以前、新人で時間があるときは、よく裁判所で裁判記録の閲覧をしていました。
民事裁判記録は、裁判の公開の原則を徹底するために誰でも閲覧することが可能です。
(謄写については、当事者または利害関係人でないと請求できません。また事件の性質によっては秘密保持のため、閲覧や謄写を制限されることもあります)
裁判記録は、事件番号や当事者名が分からないと閲覧請求ができないのですが、普通、他人の事件の詳細は知らないですよね。
そこで、どうするかというと、とりあえず裁判所に行きます。
朝一番に裁判所に行くと、当日の裁判の法廷表が置かれるか、張り出されます。
法廷の前の廊下の壁には、当時者名、事件名が書かれた開廷表が張り出されます。
その中で事件名などで興味を惹かれるものがあったら、法廷まで行ってみて、どんな感じかまず見てみます。
特に、尋問期日だとラッキーです。
というのも、通常の裁判手続では、法廷に当事者や代理人弁護士が出頭していても、数分で手続が終了してしまい、事件の概要が分からないからです。
尋問期日ならば、その日に突然傍聴しても、何を争っているのかがはっきりと分かりますし、当事者や代理人弁護士の様子などもよく分かります。
私は、事件の内容はもちろんですが、代理人弁護士の先生の雰囲気で閲覧するかどうか決めていました笑
この先生の書いた書面を読んでみたい!と思うかどうかです。
そして、その事件をもっと知りたいと思ったら、事件番号と当事者名をメモして、記録閲覧室に行き、その事件の書類を閲覧させてもらうのです。
他の法律家の書いた裁判書面というのは、とても勉強になります。書面でどんな性格の先生なのか想像(妄想?)するのは、非常に楽しいです。
また、たまに準備書面などに鉛筆書きで下線が引っ張ってあったりするのですが、これは裁判官が引いた線と推測され、裁判官が事件のどの点を注目していたのかという貴重な痕跡となります。
当時、私には裁判書類の閲覧は、宝の山を探るようなワクワクした冒険のように思えました。
もちろん、今もそうなのですが、今は時間がなくて、なかなかできなくなってしまいました。
皆さんのなかで、裁判が好きでもっと踏み込んで色々知りたい、という方がいらしたら裁判記録の閲覧はおススメです。
地裁レベルの事件が一番興味深いかもしれません。
最高裁の判例を読むと、書面の組み立てや言葉の使い方など非常に勉強になるのですが、もっと人間くさい面白さというか、人間の本性が垣間見える、というのが地裁レベルの書面だと出てくると感じます。
さて、話は法テラスに戻ります。
法テラスでは、職員さんがまず相談者の方から電話を受けて、色々話を聞いて、弁護士の先生や司法書士に繋いでゆくのですが、職員さんたちは知識もあり、根気強く話を聞いておられて頭が下がります。
また、法テラスに登録されている弁護士の先生や司法書士は、私が思うに、法律専門職としての矜持を持ち、正義感が強い先生が多いと思います。(あくまで個人的な見解ですが・・・)
法テラスでは、訴訟関係の相談だけでなく、年金や社会保障の相談に対しても適切な窓口をご案内するなど、幅広く対応しています。
どこに相談したらよいのか分からない場合など、法テラスという存在を覚えていただいていれば、安心だと思います。
2回にわたりお届けしてきた法テラスのお話も今回で完了です![]()
次回をお楽しみに~