ひざ突き合わせた話し合い

 

 

 

こんにちは。司法書士の須永みわこです。

千葉県松戸市で司法書士事務所を開業しています。

裁判関係業務をメインとしている、司法書士では珍しい事務所です。

 

前回のコラムでは、本人訴訟の第1回口頭弁論期日までをお話しました。

 

第1回期日では、原告が訴状を陳述、被告が答弁書を陳述ということの確認をし、更に、次回期日までの課題、次回期日の日取りの決定をして、終了します。

次回期日までの課題というのは、次回は、原告が被告の答弁書に対する反論書(準備書面といいます)を提出する、といったようなことです。

 

第2回期日以降を続行期日といいますが、大体1カ月毎に期日が指定され、期日毎に原告と被告がその主張を記載した書面を作成して、提出、陳述してゆきます。

要するに、原告が被告答弁書に反論したら、被告は原告に再度反論し、それに対してまた原告が被告に反論して・・・・という無限ループの繰り返しが行われます。

何度かこれを繰り返すのですが、これは、争点や主張の整理のために行われます。

反論をしていると、これは認めるけどこれは認めない、という点が浮き彫りになり明らかになってくるので、争点が絞られてゆきます。

 

この段階で、法廷ではなく書記官室エリアの小部屋で、争点を整理したり今後の進め方を協議したり、事実上話し合いで解決する考えがあるのかを確認したりするために「弁論準備期日」が開かれることもあります。

書記官室だと、司法書士は入れませんので、外の廊下のイスなどで本人を待つことになります。

 

法廷だと、裁判官や被告と直接話すことは、(簡裁以外は)殆どありませんが、この「弁論準備期日」は、裁判官から意見を求められることも多く、自分の考えや言い分を話すことができます。

この期日を経験された方は、「はじめて自分も裁判に参加したという充実感が得られた」「やっと裁判官と話せた。私の話を聞いてもらえたし、裁判官の人間味を感じて嬉しかった。」と安心される方が殆どです。

 

私も原告本人として、書記官室での「弁論準備期日」に参加した経験がありますが、裁判官とも被告とも距離が近くなり、ほっとしたことを覚えています。

裁判官の人となりを感じられたり、被告代理人の弁護士先生が意外にもおっちょこちょいだったり、裁判官と書記官の人間関係(書記官が強かった笑)を垣間見られて、少し余裕を持って周りを見ることができるようになったのが、本当に良かったと思います。

裁判中は、どうしても周りが見えなくなりやすく妄想が先走って、ぐるぐる考えてしまうのですが、直接相手を前にすると、不思議とそれが落ち着いていくのを感じました。

 

簡単な事件だと、1~3回、複雑な事件だと5~6回の期日を経て、争点を整理してゆくわけですが、裁判所として和解を勧告しますと言って、和解の協議になることが多いです。民事裁判は紛争の解決を目的とするものですから、判決をしなくても当事者が合意できればそれでいいという考えです。

 

2020年中に了した地裁の民事第一審事件での和解率は35.3%、そのうち労働事件だけを見ると和解率は60.7%に達しています(「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第9回)」2021年7月30日公表)。

和解の合意ができれば、裁判所が合意内容を調書にします。和解調書は、判決と同様、それに基づいて強制執行ができます。話し合いが決裂すれば、和解はできず、通常の裁判の手続に戻ります。

 

当事者の主張の整理が終わり、請求を認めるかどうかの判断に必要な事実に争いがあって、証拠書類だけでは決まらないという状態になり、その時点で和解ができそうにないということになると、人証調べ(証人尋問等)をすることになります。

いよいよ訴訟のクライマックスに近づきます!

ここから先は次回のコラムでお話しますね。