「相棒16」
第5話「手巾(ハンケチ)」
テレビ朝日 11/15(水) 21:00~21:54
■ スタッフ
脚本:浜田秀哉・・・「相棒シリーズ」初登板。
監督:内片輝・・・「相棒シリーズ」 14-14「スポットライト」、15-16「ギフト」、15-17「ラストワーク」16-3「銀婚式」。
助監督: 安養寺工
■ 撮影場所
千葉FC、麗澤大学(千葉県柏市光ヶ丘2-1-1)、
和光市総合体育館(埼玉県和光市広沢3-1)、
武蔵野徳洲会病院(西東京市向台町3-5-48)、
山野美容専門学校(渋谷区代々木1-53-1)、
国会正門前庭 / 洋式庭園(千代田区永田町1-1)、
川崎マリエン(神奈川県川崎市川崎区東扇島38-1)、
他。
■ キャスト/ ゲスト <訂正>
南沢奈央・・・吉祥寺北署刑事・巡査部長、樋口彰吾の娘 樋口真紀
須田琥珀(子役)・・・真紀の小学生時、渡邊詩(子役)・・・真紀の幼少時
佐戸井けん太・・・幸町署刑事 ⇒ 警察学校教官 樋口彰吾
六角精児・・・警視庁刑事部鑑識課主任 ⇒ 警察学校教官 米沢守
志貫徹・・・変死した曙ケミカル研究員、真紀の実父 桟原(さじきはら)誠一
中田勇樹・・・変死したネイコム研究員 野田啓介
湯川颯(はやて、子役)・・・啓介の息子 野田翔太
羽場涼介・・・警察学校初任科生(研修生)、父・正敏の模倣犯 手塚英雄
森谷勇太・・・オールウェイズ・エステート、銀龍会、兄貴分・赤松の模倣犯 久保田武士
鈴木隆仁・・・帝都アセットマネジメント社長、赤松の共犯者、手塚英雄の父 手塚正敏
宮澤和之・・・帝都アセットマネジメント、銀龍会で久保田の兄貴分 赤松建彦
桜庭啓丞(けいすけ)・・・警察学校初任科生(研修生)
玉置康二・・・警察学校初任科生(研修生)
成田貴典・・・警察学校初任科生(研修生)
夏秋成美・・・警察病院看護師 上田明子
◇
■ あらすじ
3話「銀婚式」が“夫婦”の話、4話「ケンちゃん」が“兄弟”の話、そして5話「手巾(ハンケチ)」は“親子”の話!!
*
深夜、警視庁警察学校の屋上からベテラン警官の樋口彰吾(佐戸井けん太)が転落し、意識不明の重体に陥る。
刑事部の元鑑識課主任で、今は警察学校教官を務める米沢守(六角精児)から緊急要請を受け、
杉下右京(水谷豊)は翌朝、冠城亘(反町隆史)を伴って校内で起きた“転落事故”の現場に臨場する。
現場の状況から自殺未遂や事故ではなく、事件性が高いと見て独自の捜査に乗り出す。
*
樋口は警官としての資質に欠けると疑わしき生徒を、プライバシーまで徹底的に調べ上げ、不適格と分かれば容赦なく切り捨てる "鬼"教官として知られている。
亘によれば、自殺をするような人ではないし、敵は多いと。
1年前まで警察学校の初任科生だった亘は、そんな樋口の厳しい査定を潜り抜けた生徒の一人だった。
樋口の査定・・・常にお道化(どけ)た仕草や悪口を叩く傾向がある。目的のためなら奔放で大胆な行動を取りがちだが、危なっかしい。但し彼には矜持(きょうじ)がある。キャリア官僚の立場を捨ててまで刑事になろうとした強さ、それは正義を貫く強さだ。
*
樋口が入院する警察病院を訪れた右京と亘は、樋口の娘の真紀(南沢奈央)と顔を合わせる。
父と娘、二人だけの家族で、自分も所轄署の警察官だと言う真紀。
右京と亘の質問に淡々と答える。
ところが、真紀は、二人の質問が終わると---
現在、捜査中のビジネスホテル変死・・・つまり、大手電機メーカー・ネイコムの機密データを盗んだ後にビジネスホテルで首を吊って死んでいる被疑者・野田啓介。しかし吉川線を隠蔽(いんぺい)する偽装が窺(うかが)える・・・事件を追っている。
膠着状態になっていたが、真紀が監視カメラを徹底的に調べ上げていると、幼い野田の息子・翔太が拉致される現場の映像を発見するとともに、遂に決定的な手掛かりとなる犯人の腕に刻まれた刺青にデジャブが甦って来たのだ !! それは幼い日の拉致・監禁された恐怖の記憶だった。
意識が戻らないまま、何時、容態が急変しても可笑しくない父を残し、捜査に戻るため足早に病院から去って行く。
冷淡過ぎる真紀の態度に疑念を抱く亘。
一方、テーブルの下でハンカチを強く握り締める真紀の態度を見逃さない右京。
*
右京は真紀が携わる事件の詳細を調査する。
教官転落とデータ漏洩、二つの事件に関連があるのではないかと推理する。
一方の亘は、警察学校内で転落事件の目撃者探しを始める。
すると、樋口が転落した夜、屋上に上がって行く真紀の姿が、研修生の一人・手塚英雄に目撃されていたことが判明する。
さらに23年前の或る事件を最後に、かつて刑事だった樋口は現場から退いており、その事件とは今、真紀が追っている事件と奇妙な符合(拉致・監禁犯の刺青) が発覚する。23年前の模倣犯なのだ。
警察学校で起きた転落事故が過去と現在の事件と繋がり、“空白の23年間”の謎が浮き彫りに !!
武士道ならぬ警察官の心構えをスパルタ指導する彰吾が、矜持を以って正義を貫けなかった過去を知ってしまった。
そして前線の刑事から身を引いて教官の道を選んだ父に対し、自らを責め続けて欲しいと引導を渡す娘・真紀だった。
◇
【参考】
青空文庫 芥川龍之介の短編小説「手巾(ハンケチ)」(1916年、中央公論に発表)
登場人物(主人公)の長谷川謹造先生は、本作のモデルとなっている新渡戸稲造の説く「武士道」の本質を捉えず、その型しか理解していないと批判している。
それでは新渡戸稲造の「武士道」の本質とは---
関連ブログ NHK-E「知恵泉 ~新渡戸稲造 真の武士道~」紹介(2017-11-29)
★フェアプレイの精神を貫き、正義を守る勇気を持つこと。
★感情を剥き出しにすることは礼儀に反する行為である。
苦しい時にこそ黙して微笑むならば、自分の心の平衡を保つことができる。
★悪戯(いたずら)に死を選ぶことは卑怯(ひきょう)である。
本当の名誉とは天命を全うすることである。