ヴァシュロン・コンスタンタン オーバーシーズ
リファレンスナンバー    4500V/110A-B128

雲上ブランドのスポーツモデルとしては最も買いやすいヴァシュロンのオーバーシーズ。

濃いブルーのサンレイ文字盤が海を彷彿とさせます。

ブレスのほかに革ベルト、ラバーベルトも同梱されており自分で付け替えできる点も

ポイントが高いですね。ヴァシュロン屈指の人気モデルです。

 

この時計は我が家に1カ月ほど居ました。

なぜ1カ月かって?それは売ってしまったからです。

ではなぜ買ったのか?それは相場より安かったからです。

 

勿論転売目的で購入したわけではないので、利益は出ていません。

あまりにも市場の相場より安かったので飛びついて買ってしまいました。

現物を見ることも無く大枚をはたいて、本当にアホだったと思っています。

 

なぜ滞在期間一カ月だったかといえば、一番はサイズ感だと思います。

何度か店頭で試着したことがあるので、そのたびに「ちょっとデカいよな…」と感じてはいたものの

いざ安い個体を見つけると「ちょっとデカいくらいがカッコいい時代なんだよな」と

脳内で都合の良い変換が起きて、気付けば預金残高と引き換えに時計が手元にありました。

 

しかしながら、やはりでかいものはでかい。

そんなに悪くないような感じもするんですけど、

 

ラグの幅≒手首の幅になってしまっていて、時計が浮く感じになってしまうんですよね。

装着感を気にしなければ、そこまで問題はないかなと思いますが。

ちなみに私の手首周りは16~16.5cmほどで、いわゆる細腕の部類の人間です。

径やラグの幅というよりはラグにボリュームがあるので、それが腕を細く見せてしまうのかもしれません。

17とか18cmくらいある方で、海が似合いそうな男性に、この時計は相応しいと思います。

 

ブレスレットの造形や装着感は特筆すべきものがあります。

サイドも綺麗に丸く面取りがされてあり肌への辺りは柔らかく、

そして表面の研磨も非常にシルキーなタッチで繊細です。

 

コマの形状もマルタ十字を意識した特別なデザインであり、オリジナリティがあります。

また、あまり紹介されていない機能ですが、エクステンション機能が備わっており、

バックル付近の駒を引っ張ると左右2mmずつ拡張することができます。

むくみなどに対応することができます。

 

サイズ感以外にこの時計のマイナス点を挙げるとしたら、

①秒針のハック機能がないこと

②時刻調整時に針飛びしやすいこと

③文字盤に個性がないこと

この3点でしょうか。

 

①のハック機能がないのはこのクラスの時計としては珍しいような気がしますが、

貴族は1分1秒なんて気にしていないという感覚でしょうか。

 

②は扱い方や個体差の問題かと思いますが、リューズを戻す際に少し気を使って

やさしく押し込んであげないと針飛びすることがありました。

これもこのクラスの時計なら…みたいに考えてしまいますが、

高級品=頑丈ではありませんからね。繊細な操作が求められているのかもしれません。

 

③に関しては完全に個人の感想ですが、正直言うとロレックスのデイトジャストの

サンレイ文字盤とそこまで差がない気がします。

雲上の時計ならではの作りこみを期待すると、やや肩透かし感があるかもしれません。

ただ、ヴァシュロンは奇をてらうブランドではないので、このくらいオーソドックスな

方がこのブランドらしいと言えるのかもしれません。

 

 

悪い点を3つも書いてしまいましたが、

やはりムーブメントは圧倒的に綺麗です。

これを眺めるだけでもこの時計を手に入れる価値は十分にありますね。

工業製品ではなく、小さな芸術品を腕に乗せて持ち歩けるという感覚です。