オーガスタスが、場所を開ける召使い頭の横を通って、その中心から伸びる木の取っ手の破損を見つめた。
手で回すその取っ手は確かに割れてしまっていて、握って力を入れたら、粉々に砕けそうだった。
レイファスが、駄目だね。と言う顔でディングレーを見たが、ディングレーも同様の表情でレイファスを、見つめた。
が、オーガスタスが、そっとその割れた取っ手の根本の木棒を、掴む。
「・・・・・・・・・・・・」
レイファスとディングレーが見守ると、オーガスタスは眉を寄せてそれを両手で握り込んで上に押して回し始め、それでもゆっくりと、木の巨大な歯車は、僅かだが回り始めた。
つづく。

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