テテュスはいつの間にか、ファントレイユの隣で彼に寄り添って、眠りに付く自分に気づいた。
うとうととした、眠気を払おうとしたけれど、ここに来る前かなりのおやつを摘んでいたし、それに大観衆の騒ぎや周囲の興奮ですっかり、疲れていて、隣のファントレイユの体の温もりと寝台の寝具の柔らかな心地良さに、再び瞼を閉じた。
閉じたその瞼の裏で、悲しげな表情をしたアイリスが、語りかけた。
『どこに・・・居るんだい?』
テテュスは眠りに落ちるその寸前で、そのアイリスに返答した。
「アイリス・・・。僕はここだ・・・・・・・・・」
その言葉がアイリスに届いたかどうかを確認する間無く、テテュスは深い、眠りに落ちた・・・。
つづく。

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