だが納得の行かない表情のテテュスに、ゼイブンは尚も畳みかける。
「いいかい?セフィリアにとってはアイリスの寝室で見た事が最悪だから、彼女の目の前で他の女性と遊ばない限り、例えバレても、何とかなるんだ」
全員が思わずアイリスを一斉に見たが、アイリスは頭を、抱えきっていた。
シェイルがそっと、アイリスに訊ねた。
「まさか決定的瞬間を見られたのか?」
アイリスは頭を抱えたまま、頷いた。
「寝室に押し入られて・・・」
それを聞いたローランデは大きくため息を、吐き出した。
だがテテュスはファントレイユの為に、まだ言った。
「・・・じゃ、レイファスがバラしても、平気でしょう?」
その言葉にゼイブンは初めて、慌てた様子を見せて怒鳴った。
「セフィリアが、俺とレイファスのどちらを信用すると思ってる!第一レイファスは絶対バラす時、脚色していかにも俺が彼の目の前で・・・したような事を言うに、決まってる!」
皆が一斉にレイファスを見たが、レイファスは『当然そうする』とにっこり、とても可愛らしく可憐に、笑った。
オーガスタスが、ため息混じりにつぶやいた。
「・・・子供の・・・しかも息子じゃない、他人の子供の言葉の方を信頼する程、あんた奥方に、不誠実だと思われてるのか?」
ギュンターも顔を、下げきった。
「・・・良くそれで結婚迄、漕ぎ付けたな・・・・・・・・・」
ゼイブンも深く頷くと腕組みし、つい同意した。
「・・・俺も未だに、そう思う・・・」
ゼイブンのつぶやきに、オーガスタスもギュンターも、顔を上げて彼を呆れたように、凝視した。
つづく。