アースルーリンド外伝。テテュス編。『幼い頃』 15 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。


レイファスは、彼らの部屋から閉め出されて、少しほっと、した。
別室に案内され、ファントレイユはとても残念そうだった。
「アイリス叔父様とどうして、一緒にお話出来ないのかな?」
ファントレイユが言うと、レイファスはつぶやいた。
「叔父さんは、男女問わず遊び回る不道徳な男だから、悪影響が無いよう隔離されたんだ」
「悪影響?隔離?」
「ばい菌が、移らないように」
「・・・遊び回ると、ばい菌なの?
でもセフィリアはいつも、アイリスは立派で男らしい騎士だって。
僕も、本当に、そう思う」
そう、頬を染めるファントレイユにチラと視線をレイファスはくべる。
「・・・セフィリアはずっとアイリスを信望していたんだ。なのに思い切り、裏切られたりしたから、恨みが深いんだって」
「・・・・・・恨んでるの?」
「でも僕はきっと今でもセフィリアは、彼の事好きだと、思う。
アイリスを時々、凄くうっとり見てるもの。
・・・でもセフィリアは不潔な事が大嫌いだから」
「アイリスは、不潔なの?
好きだけど不潔だから、近寄れなくて恨んでるの?」
レイファスはもう、説明に力尽きて、言った。
「・・・そんな、もんだ」
こと・・・・・・・・・。扉の開く、音がした。

いとこだと、聞いていた。
アイリスがいつも滅多に崩さない顔を、苦い薬を飲んだみたいに崩す、セフィリア叔母さんとアリシャ叔母さんの、同い年の子供だって。
でも、そこに居たのは・・・・・・・・・。
窓辺に、彼らは居た。
陽が差し込み、彼らは光に浮かび上がった。
こんなに綺麗な子供は、見たことが無くてテテュスはそれが、絵じゃないか。と疑った。
でも絵は大抵、モデルが居る。
背のちょっと高い子は、淡い色の髪と瞳をしていて、人形のように綺麗で、小柄な子は、鮮やかな栗毛が陽できらきらして、真っ赤な唇をしていて、青紫の瞳が本当に綺麗で、とても可愛らしかった。
本当に、生きて、動いてるんだろうか?
実は大きな人形で、からかわれてるんじゃないか、とテテュスは、側に誰か隠れて彼の様子を伺い、くすくす笑ってやしないかと、見回した。

つづく。