アースルーリンド『ファントレイユとの出会い』地方護衛連隊長会議14 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

オーガスタスが途端くくっ!と笑い、全員が彼を、見た。
「・・・だがあれはいい案だ。今度から俺もそうしよう」
ダーディアンとマリーエルが、顔を上げた。
「まさか・・・・・・」
マリーエルが言うと、ダーディアンも言った。
「会議場への武器の持ち込み禁止か?もしかして・・・」
ウェラハスは思い切り、頷いた。
「妥当だ」
ダーディアンが叫んだ。
「あんたはいいだろう?武器が無くても!
拳で対処しろと言ってるんだぞ?」
アイリスが、ギデオンを見てつぶやいた。
「拳がモノを言う会議なんて、あっていいのか?」
が、ギデオンは笑った。
「私は性に、合ってる」
「だが、少なくとも死人は出ない」
オーガスタスの心から嬉しそうな言葉に、アイリスがぼやいた。
「やはりかつては死人が出てるか・・・」
ダーディアンが言った。
「一人が剣を抜けば、全員身を護る為に抜くからな。どさくさに紛れて不運な奴が喰らったんだろう。
・・・あれは事故だ」
ウェラハスがそう腕組みする彼を見た。
「会議で死人が出るのはどう考えても異常だ。・・・事故で済ませられるか?」
オーガスタスが顎を手に乗せつぶやいた。
「両手両足に、枷も付けられれば言うこと無いんだが・・・」
ダーディアンとマリーエルが、そう言うオーガスタスをじっと、見た。
「・・・出席者を人間扱いしない気か?」
マリーエルが唸るとダーディアンが怒鳴った。
「こいつ、その内一人一人に檻を用意する気だぞ!」
「・・・ああ、それは名案だ!」
笑顔で言うアイリスを、マリーエルとダーディアンが睨んだ。
オーガスタスも同意見だと肩をすくめた。
「・・・俺が出席者で人間に見えるのは、ウェラハスだけだしな」
アイリスも頷いた。
「・・・並み居る猛獣に囲まれた、森林に居る気分だった」
だろ?と、オーガスタスが彼を見た。
ダーディアンがマリーエルを見、マリーエルも彼を見た。そして二人してギデオンを見る。
マリーエルがギデオンに声かけた。
「・・・お前も、同類だろう?」
ダーディアンが唸った。
「近衛代表で出席してオーガスタスを泣かせろ!
アーシュラスが喜ぶし、お前は機会を見つけてあいつをぶった斬れる」
オーガスタスはとうとう、アタマに来て怒鳴った。
「これ以上まだ、猛獣を増やす気か!
言っとくが、何時までも俺が議長で居ると思うなよ!」
だが、ウェラハスが思い切り下を向くと、オーガスタスにそっとささやいた。
「・・・そのセリフは、確か五年前にも、聞いた記憶が・・・・・・」
皆がそのつぶやきに言葉を無くした。
そして今にも唸り出しそうなオーガスタスを、心から、気の毒そうに、見つめた。

          end