アースルーリンド外伝。ファントレイユとレイファス。『幼い頃』30 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

 6 男親

 アロンズは、屋敷を去らなくて良くなったが、近所の屋敷へ執事見習いに通う事に、成った。
一緒に居る時間を、減らそうというセフィリアの思惑で、ファントレイユはそれには何も、言えなかった。
ファントレイユはでも、アロンズの姿を見かけると微笑んで声を掛けようとしたが、アロンズは行った先の屋敷で女中見習いをしている女の子を良く、連れて帰って一緒に、過ごしている様子だった。
レイファスは、アロンズがとっても気の毒だ。と言うため息を、付いたがファントレイユがそれに気づく風も無く、以前のようにアロンズと話せなくて、とてもがっかりする様子に、つぶやいた。
「解ってないと思うけど。君、アロンズの事、どんなふうに好き?」
ファントレイユは顔を、上げた。
「どういう意味?だってずっと一緒に、遊んだり話をしたりしていたのに。
第一君は女の子はライバルだって言ってたのに、アロンズが女の子と居ても、知らんぷりだよね?」
ファントレイユがそう言うと、レイファスは笑った。
「だって僕は男の子だし。可愛いって憧れてくれたって、どうにもならないじゃないか。第一アロンズはいい奴だから、楽しそうに女の子と付き合ってたって、邪魔する理由は、無いだろ?」
ファントレイユは少し肩を、落とした。
「でも、僕らと居る時間をもう、作ってくれないみたいだ」
「・・・それって、凄く寂しい?」
ファントレイユは、レイファスの顔を見るとこくんと、頷いた。
「口づけされて、凄く嬉しかった?」
ファントレイユは頬を紅潮させてつぶやいた。
「君の言った通り、美味しいお菓子だった」
レイファスは、困ったように彼を、見た。
「ファントレイユ。君、自分が男の子だって、ちゃんと、解ってる?」
「当たり前だ。どうして?」
「だって普通口づけって、男女がするもんだろう?」
ファントレイユの眉が、いきなり寄った。
「・・・じゃ、フレディは僕がやっぱり、女の子だと思ってたの?」
レイファスは、知らない。と肩をすくめた。
「・・・それをアロンズに頼んだりしたから、アロンズは僕に呆れて、もう付き合いはよそうと、思ったのかな?」
「でもアロンズはきっと君が男の子だと解ってても、凄く君の事が、好きみたいだ」
ファントレイユはますます、眉を寄せた。
「だってそれは、おかしいじゃないか・・・。
好きなら、もっと一緒に居たいと思わないの?
アロンズはどう見ても、僕の事避けてる。絶対、僕に呆れて嫌いになったんだ」
レイファスはもう一つ、ため息を、付いた。
「ただでさえ、身分違いでその上男の子を好きになんてなったら、お先真っ暗だ」
ファントレイユが、聞いた。
「お先、真っ暗って?」
「終わってるって事」
ファントレイユの眉が、更に寄った。
「つまり、僕の事が好きだと、終わってるって事?
どうして?だって今までは、好きだったろう?
避けてるのは嫌になったからなんじゃ、ないの?」
ファントレイユの、いかにも混乱する様子に、レイファスはとうとう、処置無し、というように、肩を、すくめた。
つづく。