アースルーリンドの騎士追加特記その99 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

今や、ギデオンが来るのを、歓声で迎えようと待ち構える兵達の前へ、ファントレイユは英雄と、並んで姿を、現した。
一人が、ギデオンに向かって叫ぶと、もう後は、一斉だった。
彼らの、命を尊び続けた金髪の軍神の無事な姿を、彼らは熱狂的な歓声で、迎えたのだった。
轟くようなその歓声に、ソルジェニーは、胸が本当に、熱くなった。
ギデオンの隣で、戸惑うような表情の、ファントレイユの美貌を見た時、彼が、栄光なんかよりも本当に、真心でギデオンの身を想い、いつもの余裕なんか忘れて、必死でギデオンの命を救ったんだと解り、その彼の覚悟とやり遂げた素晴らしさに、涙がこぼれそうだった。
だが、兵達の間に顔を見せるマントレンが、あの時あれ程平静だったにも関わらず、ギデオンのその兵達の歓声に手を上げて応える、素晴らしく輝かしい姿を見つめ、どれ程安堵しているのかが解ってつい彼を、馬上から見つめた。
『無事を、信じるしか無い』と言った彼の青い瞳は、再びギデオンの姿をその目に映し、感激で潤んでいたからだった。
つい、ソルジェニー迄もが、彼と共に感極った。
歓声は止まる事無く、ギデオンは取り囲む彼らのまん中で馬を止め、その姿を、マントレン同様もう一度見られて嬉しいと心から喜ぶ兵達を見回し、微笑んでみせた。
途端、もう一度歓声が沸き起こり、一斉に彼の名を、兵達が叫び始めた。
「ギデオン!」
「ギデオン!!」
「ギデオン!!!」
ソルジェニーはファントレイユを、見た。
ファントレイユはギデオンを見つめていた。
ギデオンは兵達の歓声を受け、彼らを包むように、見つめていた。その輝ける金の髪は、彼を英雄として更に、眩しい程、輝かせていた。
ギデオンが、叫んだ。
「・・・戦は終わった!都に戻るぞ!」
全員は持っていた物を一斉に頭上に放り投げると、更に大きな、歓声を、上げた。
つづく。