「青と赤のエスキース」青山みちこ
まずは、タイトルにあるエスキースという聞き慣れないことば。これは絵画の用語で、絵を描く前の段階でイメージを落とし込む下絵のことらしい。
物語の最初は「エスキース」という作品名のつけられることになる絵画が、どのように作られたかが書かれている。メルボルンの大学に短期留学中の女性と、現地の男性との切なくて美しい恋愛のお話。わくわくしてきて、続きはどうなるの?!ってとこで、唐突に話が終わり、次の短編が始まる。
短編集ですが、どの短編にも、エスキースが出てきて、いろんな時代やいろいろな人々のお話が絡まってきて、最後にはえーっ、そういうことだったのか!と。きれいなつながり、一気に読破。
若い時、歳をとってからと、それぞれ考え方や悩みも少しずつ変わること、変わらないことなどなど、細かく書かれていて、頷けることがいっぱいありました。
もう一度読み返したくなり、2回目はしみじみと読みました。
また、キーワードの赤と青の物が随所に出てきて、その色彩の雰囲気に引きこまれます。
最後に表紙にもしかけがあることに気づいて、じっくりみて楽しめました。
大好きな一冊になりました。