
西加奈子氏の「きりこについて」(角川グループパブリッシング)を読んだ。
大阪に生を受けたぶすのきりこと、天才黒猫のラムセス2世が繰り広げるちょっとコミカルでサイケデリックな日常の物語である。
きりこは、両親の寵愛を一身に受け幼少期を過ごすが、周りの誰とも違う容姿から、ぶすというレッテル貼られるがゴーイングマイウェイの人生を送っている。
両親から可愛いと連呼され、同級の女子や男子からも一目置かれる存在として生きていた。ラムセス2世も、あんたは凄い人というので、一つも疑わず成長した。
しかし、初恋の相手こうた君にある日ぶすと言われ、自分がぶすであることを知るきりこであった。
変な宗教にはまる元田さん、長寿猫のおぼんさん、漫画家のみさちゃん、大人の魅力に溢れるちせちゃんなど強烈なキャラに目眩がするストーリーになっています。
予知夢をみる力があるきりこが、ちせちゃんがレイプされるのを知り、やがてAVメーカーを二人で立ち上げ、そこに昔の仲間も加わっていくことになります。
きりこは、他人が自分をぶすと判断するように自分も他者の容れ物を見て好き、嫌いを判断していたことに気づきます。
本来の自分らしい生き方を見付け出す人たちの物語でもあります。
まあ、猫はそんなことは、世界が、肉球より丸いと知るより先に分かっている賢い生物であります。
人間は、自分を取り戻すために回り道したり、人生を違うたりするバカな動物なのです。にゃ~。
病室にも日は昇る
