私達の建築・不動産業界は、「非サラリーマン社会」です。
もっと言うならば、「独立開業系の社会」です。
ですから、新卒で正社員になって安泰・・・・という、サラリーマンの人達とは生き方が違う。
しかし、昨今、問題になっている契約・派遣社員の人たち・・・・この人達は、どうも、
「正社員になりそこねたけど、いつかは正社員になりたい!」
・・・と、思って、ずるずると契約・派遣人生を続けている人達が多いように見えるのですが、
残念ながら、いまさら、正社員には、努力してもなれないのが現実だと思う。
そこで、自暴自棄になり、秋葉原に行って、無差別殺人・・・・なんて言うのはお話にならんわけで・・・。
一方、私達の業界の人々は、自ら進んで、サラリーマン人生を捨てて、
この世界を選んだわけですから、自暴自棄なんかになりようがない・・・・。
自暴自棄どころか・・・・・若い頃は、目標もあって・・・・ワイは元気いっぱいでしたけど・・・・。
私の場合、大学が文系で、しかも建築学科がない大学だったので、社会に出ても、コネがなかった。
・・・しかし、へこたれず、まずは就職活動を始めたのです。
ところが、建築学科卒の肩書もなければ、実務経験もない私などを雇ってくれる設計事務所は
皆無で、言われることはいつも同じ・・・・。
「せめて実務経験がなければ無理ですね。」
実務経験がない人は雇えない・・・・と、すべての設計事務所に言われた時、
「じゃ、実務経験をどこで、経験したらいいんでしょうか?」と、聞きたくなった。
「最初に、初心者を雇ってくれるところがあって初めて、実務が経験できるんじゃないのか?」
と、言いたくなった。
めげずにあちこちの設計事務所に飛び込みながら、物乞い(?)状態の生活をしていると、
ようやく時給800円でアルバイトとして使ってくれる事務所に出会った。
大都会の真ん中で・・・・24才にもなった人間が、時給800円でアルバイト・・・・生活は苦しかった。
何せ、事務所内のお手伝いのパートのおばさんの時給900円より安い給料!!
時々、このあばさんが、
「G君が、栄養失調になったらかわいそうだから・・・・。」
と言って、弁当を作ってきてくれた・・・・・その弁当・・・・お、お、お、おいしかったです(涙)。
そんな時給800円をコツコツためて、専門書を買いこみ、自宅では勉強。
片道2時間立ったままで通勤・・・・という毎日。
電車の中で本を読み、会社で仕事、帰りの電車も勉強・・・・・さすがに疲れがたまってくると、
「今日は贅沢しよう。」と、小田急線の特急ロマンスカーを使って(+350円なり)、
寝ながら帰る日もあった。
この頃、私は平均睡眠時間が4時間くらいだったので、「2度寝」という技を使っておりました。
朝まで、一気に4時間寝ても疲れがとれない・・・・・これは、人間、寝た直後の1時間半くらいが、
もっとも睡眠が深く、その後は、ずっと浅い睡眠が続くため・・・・そこで、この寝た直後のこの
深い眠りを、2度取り入れて疲れを一気に取ろう!・・・・という作戦が「2度寝」で、
夜中の1時から3時まで寝て、一度、3時に目覚ましで起きて、また5時まで寝る・・・という、
方法なんですが、これ・・・・なかなか当時は、効果的でした。
その後、名古屋に戻り、父の事務所に入ってからも、勉強は続き、
6年間で、5つの国家資格をとった。
この頃、すでに妻と付き合っていましたが、よく学び、よく遊びましたわ・・・・思い起こせば。
勉強に疲れると、妻に付き合ってもらい、夜の名古屋の繁華街に繰り出す。
仕事して、勉強して、時々、はじけて遊びまくる・・・・実に、多忙で元気でした。
この頃、妻は、私のことを、「この人、勉強が趣味なんだろうか??」と、思っていたらしい・・・・。
ま・・・・・とにかく、いろいろな意味で、元気でした。
ですから、こんな調子なので・・・・・私達夫婦・・・・・新婚旅行に行っていません。
行く時間がなかったのです。
おそらく、この業界の皆さんは・・・・若い頃は、大なり小なり、こんな生活だったと思います。
一見、ドロップアウトしたかに見える20代ですが・・・・・陰で猛烈に努力していたはずです。
周りの先輩方、同業者の方・・・・今では、相当な高収入です。
サラリーマンにならず、若い頃、極貧生活で苦労しても、「お金を得るスキル」を身につければ、
30代、40代に報われます。
ただ、だらだらと、仕事だけしていては、一生を保証してくれるスキルなど身につくはずありません。
1年やそこらの研修期間を終えたら、誰にでもできる・・・・そんな仕事で、
一生食べていけるほど、世の中、甘くはないのです。
石の上にも3年・・・・・は、短すぎますね・・・・・やっぱり10年は必要ですよ。
がんばれ!派遣・契約社員!!
努力して、サラリーマンの人たちに、追いつき、そして追い越せ!
絶望なんか、してる暇ないよ。