「しつこい営業マン」を撃退する方法 | WAS IT ALL WORTH IT ?

分譲会社として営業の仕事をしていると、お客様の中に「営業マン恐怖症」の方がいらっしゃる

のが、大変よくわかります。


たとえば、当社の場合、「非通知電話」は拒否してあるため、つながりません。

非通知の電話があった表示だけがされるのですが・・・・日によっては、何回もそのような

電話がかかってきます。


インターネット経由の問い合わせも、お客様の傾向は、はっきり二分されていて、


「住所」「氏名」「電話番号」まで全部書いて下さるお客様は、必ずと言っていいほど、

その後、お客様のほうからお問い合わせの電話を頂き、来社していただき、物件のご説明・・・と、

いうケースがほとんどです。


一方、「名前」「メールアドレス」のみのお客様は、メールを返信しても、音沙汰なし。

「物件資料をPDFファイルで送ってほしい。」などと、勝手なことが書かれていたりします。

もちろん、私は、送りません。時間の無駄ですので・・・・。



つい最近、某不動産会社の社長さんと、このあたりのことで、話す機会があったのですが、


「社長さんは、インターネットの問い合わせ、どうされてます?」


と聞くと、


「実は、一回、頭にきましてねえ・・・・某不動産インターネットサイトのカスタマーセンターに、

電話して聞いたことがあるんですよ。

僕ら、仲介業者は、地主さんの土地・・・・人様の土地や、家を、お借りして仕事してるわけでしょ?

物件は大事な個人情報なんですよ。

それを、名前とメールアドレスしか書いてない、どこの何者かわからん人に、送れますか?

・・・・って、カスタマーセンターに聞いたら、対応した人、なんて言ったと思います?」


「それでも物件資料を送ってください・・・・・と、言いませんでした?」


「そうなんです!そう言うんです。だから、頭にきちゃってねえ。」


皆さん、苦労はおんなじですなあ・・・。社長さんは、そして、こうおっしゃった。


「だから、僕は、メールアドレスしかない人には、メールを返信して、名前、住所、電話番号を

教えていただければ、物件資料をお送りします・・・ってお答して、教えてくださった方にだけ、

お送りしてます。」


「相手の反応はどうですか?」


「90パーセント以上・・・・返事なしですね。名前とメールアドレスだけの人は、そんなもんです。

いや、インターネット自体がそんなもんですよ。」


私も、某社長様のご意見に、まったくの同感です。

私も、基本的には、この手のお問い合わせには、返事すら出しません。


実は、当社のような分譲地の売主には、別の悩みがあって、以前、電話でこんなお問い合わせが

ありました・・・・私は、これ以来、電話すら、信用しなくなりましたが・・・・。


ある人から電話で、「住所と名前を教えるから物件資料を送って欲しい。」と言われました。


「当社は物件資料は、来社していただいた方にしか、お渡ししていません。」


と、答えると、「なぜだ?」とこの人は食い下がりました。


「実は、時々、どこかの不動産会社さんが、お客さんのふりをして、物件情報を集めようとして、

電話をしてくるんです。ですから、お客様を疑うわけではないのですが、物件の郵送は、

していないんです。」


と、答えると、


「私は、不動産屋じゃないですから、送ってください。」


と、この人は答えました。

そこで、仕方なく、簡易な資料を、送ると、後に、この人から、


「あのなあ!こんな簡単な資料じゃ、お客さんに見せられねえじゃないか!」


と、怒った声で電話が入ったのです。

この瞬間、私はぶっきれました。プンプンDASH!


あれほど不動産屋さんじゃないですよね?と念を押したのに、このくそじじい!

なんちゅー輩やねん!・・・・・と、この人の図々しさに、ホント・・・・腹が立ちました。


ですから・・・・・顔を見るまで・・・・私は、お問い合わせの電話に、

出ること自体が嫌でいやで・・・・もっぱら、妻に電話に出てもらっている毎日であります。



「営業マン恐怖症」のお客様もいらっしゃるのかもしれませんが、

私は逆に、今では、「お問い合わせ恐怖症」であります・・・・・。ガーン



実は・・・私も昔、一度だけ、ハウスメーカーに、家づくりの問い合わせをした経験があります。

当時、私は、名古屋市内の分譲マンションに住んでいて・・・・当然、すでに、分譲マンションに

住んでいるわけですから、家づくりなどするはずもなく・・・・ま、ひやかしの問い合わせを、

してみたというのが、正直なところなのですが、驚いたことに、一度、問い合わせをすると、

電話は何度もかかってきますし、資料は半年以上、しつこく送られてきて、

最後には、住んでいるマンションにまで押しかけてこられ、


「分譲マンション買っちゃったから、家なんか建てません!」


と言っても、


「ぜひ、マイホームの買い替えを!」


と、わけのわからんことをインターホンごしに言われて、さすがに困り果てた経験があります。



しかし、その後、分譲住宅の仕事をするようになり、ハウスメーカーのような「家づくり」の

世界とは違い、「物件を売る」不動産の世界には、このようなしつこい営業は・・・・・実は、

ほとんど存在しない・・・ということがわかりました。


なぜかというと、ハウスメーカーさんのお客様は、基本的に土地を持っている人。

土地を持っている人に家を建てていただく仕事なわけですが、この家づくりという行為は、

極端なことを言えば、


「予算のない人でも、予算に合わせてなんとかつくることができる。」


という性質がある仕事のため、問い合わせをした人は、全てお客様になる可能性があるわけです。

ですから、とことん、お客様を追いかけるのではないか・・・・・?


一方、不動産の世界は・・・・特に分譲住宅の世界は、「土地」と「建物」を購入していただく世界

ですから、一定の予算のない方は、お客様になりえない。


逆にいえば、いくらお客様がある物件を欲しい!と、思っていらっしゃっても、

自己資金と年収から逆算して、「このお客様には購入していただけない。」という結論がでると、

不動産の営業マンは、あっという間に、引いてしまいます・・・・。

それはそれは・・・・冷たいほど、態度が急変します。


昔、ある分譲会社さんで打ち合わせをしていたら、この会社に、お問い合わせの電話が入り、

こちらの分譲会社さんの女性スタッフが電話に出て、対応されていました。

その女性スタッフのお客様との会話は以下のとおりでした。


「はい。・・・・の物件ですね。

あの、ご予算は?・・・・3000万?無理ですねえ。ガチャン!(電話を切る音)」



もう、おわかりだと思いますが・・・・分譲住宅の世界では、まず「しつこい営業」は存在しない。

まれに、しつこい営業マンがいたとしても、撃退方法は簡単です。


「私は、自己資金ありません。ついこの前、転職したばかりで・・・年収も低いです。」


この一言でOKです。

物件が気に入らなければ、こういえばいいのです・・・・・。