一番でなきゃいかんのか? | WAS IT ALL WORTH IT ?

子供の早退に付き合って、家で新聞を読んでいたら、こんな記事が・・・・。



ここ名古屋(中部地方)では、とにかくトヨタ系の会社が多く、


「トヨタがくしゃみをすれば、中部(名古屋)が風邪をひく。」


などと、よく言われますが、当社も地元であるためトヨタ系の会社の下請け、

孫請け会社さんの社屋や工場など、いくつか設計させていただきましたので、

写真の記事・・・・人事と思えないところがあります。


「世界一のしわよせ」


とは、見事な皮肉・・・・。


私達、建築業界で、この自動車会社のようなことをしている会社も、たまにあり、

某・・・・世界一忙しいタレントさんをCMに起用している「○○ホーム」という会社・・・。


「あまりの低コストのため、下請けが着いて行けず、下請けがコロコロ変わる。」


ということで・・・・業界の人間でしたら誰もが、そのこと・・・・知っています。


「下請けがコロコロ変わる」と、どういう影響がでるか・・・。


毎回の工事が一定の質をたもてなくなります。

現場に、見たことのない下請け業者が代わる代わる入ってきたら、現場は混乱します。

それでも、毎回、一番安い金額で、見ず知らずの業者に工事を任せる。

利益第一主義の会社は、やはり、この選択肢をどうしても、とるらしいのです・・・。


自動車業界も住宅業界も仕組みは同じで、


「販売価格から下請けに払う金額を引いた残りが、元請メーカーの利益になる。」


下請けに払う金額をケチればケチるほど、利益が大きくなり、その結果の世界一ならば、

実はトヨタが世界一になれたのは、下請けの努力と我慢があったからに他ならないわけで、


「ありがとう。下請けのみなさん。おかげで世界一になれました。

ですから、感謝をこめて、皆さんにこれだけの報酬をお支払いします。」


・・・・なんてこと・・・・・・トヨタは絶対にしないでしょうなあ・・・・。


下請けへ報酬を払えば、利益は減り、世界一ではなくなってしまいますから・・・。


価格300万円の車。

下請けに払う金額はトータルで200万円。

その結果、トヨタは100万円の利益がでる・・・・・・とする。


しかし、


「大事な下請けを、これ以上、苦しめてどうする?

下請けあってのトヨタじゃないか。

わが社の利益は70万円でいい。

その結果、世界一ではなく、世界3位か4位になるかもしれんが、倒産はしない。

そこまでして、世界一になる価値・・・・はたしてあるのか??

だから、30万円分を全ての下請けに還元しようではないか。」


・・・・と、いう考えの経営を、零細企業のタコ社長のワイですら、してますよ。

当社のサービス工事は、全て、当社がかぶってます。

サービス工事は、お客様からは一切お金をいただかず、下請けさんには、

満額お支払いしてますんで・・・・ウチの利益を減らしています。


零細企業のタコに出来ることが、なぜ、世界一の企業にできんのだあ!


・・・・・・。


このトヨタのやり方・・・・いつまでも続くと思わないほうがいい。

実際に、建築業界では、すでに問題になっているのです。

つらく、きたなく、きけん(いわゆる3K?)な職人になりたがる若者が激減して、

業界の未来は暗い・・・。


トヨタの下請け、孫請け業界でも、社長さんが、会社のあととりとなるであろう息子さんに、


「こんな、儲からないつらい仕事をお前はするな。

トヨタからみれば、我々は、使い捨てだ。

俺の会社は俺一代で終わらせる。

お前は、違う仕事を目指せ。」


こんな、ことを言う日が来たら、下請けは海外にシフトして、ますますこの国は衰退する。

国内産業の衰退まで引き起こしても、自社の利益を大きく確保する自動車会社。


そこまでして、一番にならなきゃいかんかなあ・・・・。

何故、3番、4番じゃ・・・・・・・いけないんだろう??