「赤福」のこしあん(いきなり、何を言い出すんだ?と思われるでしょうが)が、
大好きだった私には、今、巷で流れているニュースが哀しく聞こえてきます。
正確には覚えていませんが、確か「赤福」は消費期限が数日で、
そんな数日しかもたないものを、大量生産するっちゅうーこと自体、
良く考えればおかしな話です・・・・。
私が経営者なら、数日しかもたない商品を、大量に生産しても、
数日で売り切る自信なんて、とても持てない・・・。
大量生産することを決めた瞬間から、売る商品は長持ちできるものに
切り替えないと・・・・。
この地方の自営業者の方なら、ほとんどの方がご存知だと思いますが、
岐阜県に「お千代保稲荷」という有名な商売の神様があって、
その門前町?・・・といいますか、商店街に、知る人ぞ知る「たい焼き屋さん」が
あって、おじちゃん・・・と言うよりは完全なおじいちゃんが、家族で経営している
お店なのですが、いつもお客さんが長者の列で、買いたくてもなかなか買えない
お店があります。
このお店、一日につくる「たい焼き」の数が決まっていて、
売り切れた瞬間、閉店となる・・・・。
お参りに行く時間が遅いと、シャッターが閉まっていて、
「本日は商品が無くなり閉店しました。」
・・・・と、書いてある。
親しい分譲住宅会社の社長様も、
「お千代保のたい焼き屋、うみゃーでかんわ!行くといっつも閉まっとるけど・・・。」
と、ぼやいておられたほどであります。
「赤福」も、鮮度にこだわるなら、この「お千代保のたい焼き屋さん」の路線で
経営を続けるべきだったと思う・・・。
大体、会社を大きくしようと言うのは、はっきり言ってしまえば、
「経営者の見栄にすぎん」・・・・・と思う。
結果的に、いつの間にやら大きくなってしまった会社はいいと思いますが、
まずはじめに「事業拡大」ありきの会社は「赤福」路線を走るに違いない。
私達の建築・不動産業界も同じで、
「社員の数」と、「仕事の数」のバランスが経営上、最も難しいのです。
会社が大きくなると、当然社員が多いわけですから、その社員を養うために、
大量の仕事の受注が必要になる。
そしてだんだん、経営の目的が、会社の規模と社員数を維持するために、
どんなことをしても仕事を取る!
仕事の内容など、どうでもよい!
・・・・という、悪循環に陥ってしまう。
また、毎年、毎年、社員の数から逆算してでてくる
絶対に死守しなければならない「年間着工棟数」「年間販売棟数」というものが
存在しますから、こじきのようになって仕事を取る営業マンも現れる・・・。
こうやって考えると・・・企業と言うのは大きくなればなるほど、
中身は実は、健全ではなくなってしまう気がして怖い。
数年前、建築確認が民間に開放され、木造住宅などは即日、
申請がおりる時代がつい最近まで続いていました。
一人のスタッフが、5棟分の確認申請を、2時間ほどでおろして会社に、
戻ってくる・・・・という時代だったのです。
この時代に、明らかに「拡大路線」「薄利多売路線」に舵をきった、
大手分譲会社や住宅会社がありました。
(多くの方がよくご存知の会社です。)
しかし、今年の6/20以降、建築確認申請の数は、半分以下に激減。
当然、大量受注、大量建築をあてこんで増員した社員は、だぶつく。
人件費が増大し、まず経営が悪化。
そして、しばらくすると、こうした会社にはリストラの嵐が吹き荒れるに違いない。
「薄利多売」路線をとった会社も悲惨です。
「薄利多売」という経営は、たくさん売ってはじめて予定の利益が確保できる
わけですから、「多売」が「少売」になってしまっては、お話しになりません。
しかし、
この6/20の建築基準法の改正などは、まだまだ、かわいいもので、
木造住宅をターゲットにした本格的な改正の嵐は平成20年の12月に
吹き荒れるのです。
建築・不動産業界は、今、業界内だけの話ですが、
「大手が沈没し、中小零細のみがな・ん・と・か生き残る。」
などと・・・・怖いウワサが流れています。
当社は、「大手路線」「赤福路線」はとりません。
「お千代保稲荷のたい焼き屋さん」の路線を貫きます・・・これからも。