本物の建築家? | WAS IT ALL WORTH IT ?

壁のボード貼りが進んでいるため、

現場で、ニッチ、スリットのサイズや位置決めをしました。


紙とマジック、スケール、セロテープを現場に持参し、

実際の部屋の大きさを体感しながら、照明器具との

兼ね合いも考慮しながら、現場で設計・・・というのが、

いつものパターンです。


 キッチン上部の照明


 玄関ホールのニッチ


 廊下のニッチ


 LDKのニッチと照明


ついでに、WCの収納、紙巻き器、タオルかけ、飾りだな等も、

そろそろ下地を入れたい時期なので、まとめて決めました。


時々・・・・この作業をしている時、夫婦で意見が割れるんです。

主婦の考えと、亭主の考えの違いでしょうか・・・・。


注文住宅と違い、分譲住宅は、お客様がいらっしゃらない段階で

建築しますので、100パーセント私たちの感覚でつくっています。


親しい某分譲住宅会社の社長様も、ご自身のつくりたい家を

毎回、つくっていらっしゃいます。

誰かに設計を依頼されて、その方の求めている家をつくるのでは

なく、社長様自身の求めている家をつくっていらっしゃるわけです。

そう考えると、

この社長様は、そこいらの建築家以上に本物の建築家です。


こうして一生懸命つくった住宅をお客様が気に入ってくださり、

「ご購入」ということになったとき、社長様は、

「分譲業者冥利に尽きる。」と大変喜んでいらっしゃいます。


昔、とてもプライドが高く、依頼者の要望をほとんど聞かず、

自己主張の強い設計士さんがいらっしゃったので、

この設計士さんに、

「そんなに自分(設計士)の思いどうりの家を設計したかったら、

注文住宅じゃなくて、ご自身で分譲住宅を建てて販売されたら

どうですか?」と聞いたことがあります。

しかし、プライドが高いはずのこの方は、

「売れなかったら怖い・・・。」とおっしゃった。

この方のプライドは・・・単なる根拠のない、

うぬぼれだったんでしょうか?


某分譲住宅会社の社長様の、潔さ、純粋さのほうを私は尊敬

しています。

それだけではありません。

社長様は、うんちくも語らなければ、講釈もおっしゃらない。

自分がよい家だと思う家を、ひたすらつくり続けていらっしゃる。

・・・・ただ、それだけなのです。



この社長様を見習い、

私たち夫婦も、毎回、こう言いながら家をつくっています。

「自分達が住むからいいよ、売れなかったら。」


つまり、それだけいろいろ考えながら、

気合を入れてつくっているのです。

妥協など、できませぬ・・・・。