さてここは教会聖所

神の使いがそれぞれの愛を問う。

二人の間に仕切りがあるので互いの存在は知らない。

 

あなたは恋の相手を愛していますか?

 

もちろんです、彼を大切にしたい……。

 

彼女は我の伴侶で当然だ。

 

あなたが哲学など読書に明け暮れるその目的は?

 

人の真理を知り愛するため……。

 

人の本性を暴き支配して見せよう。

 

あなたは家族をどう思いますか?

 

私を産み育てた両親の愛に感謝します。

 

 

家族は捨てた。彼女も早く親から離れたほうがいい。

我の妻にしなくてはならない。

一刻も早く彼女を救わなければならない。

かわいそうに、我のように彼女は、

家族によって苦しんでいるだろう。

 

この物語の薬はどう思う?

 

私は薬がなければ生きていけません。

最近、彼が反対して私、どうすればいいの……。

 

薬は毒!哀れな恋人よ、

君はいつも苦しそうに薬を飲んでいる。

 

あなたは変わった人物ともいわれませんか?

 

私はできる限り普通でありたい。

ひとを愛するために、傲慢ではいけません……。

 

我は頭脳優秀、嫉妬と羨望だらけ。

変わった人?光栄だ。我は天才だ。

 

愚かな道を歩むひとに、あなたならどうする?

 

愛し、その方の心の痛みを知ることです。

 

そいつの頭脳を優秀な我が支配することが一番だ。

 

もしも恋人が愚かであれば?

 

愛し、その方を柔らかい絹の布で包みましょう。

 

我が支配してみせよう!

 

 

質問は終わりです。

 

 

 

 

愛しています。

 

 

見よ、これが恋の不条理だ!

知り給え、恋の愚かさを!

彼らは何も見えていない!