名探偵なぎさの冒険
第9話:家庭科室のぬれたレシピのなぞ


登場人物
•     なぎさちゃん(小学3年生。名探偵)
•     ひよりちゃん(料理が好き。ていねいな性格)
•     ゆうまくん(家庭科係。水仕事が多い)
•     家庭科の先生(やさしくて、整理整頓が得意)

 1. ぬれてしまったレシピ
ある金曜日の家庭科の授業。今日のメニューは「やさいスープ」。
ひよりちゃんは、レシピカードを見ながら材料をならべていました。
「…あれ?レシピがぬれてる!」
紙のすみがふにゃふにゃになって、文字がにじんでいます。
「だれか、水をこぼしたのかな?」
なぎさちゃんは、すぐにレシピのまわりを見ました。

 2. なぎさのしらべ
なぎさちゃんは、調理台の下を見ました。
そこには、ぬれたふきんが落ちていました。
「このふきん、さっきゆうまくんが使ってたよね?」
「うん…手をふいたあと、机の上に置いたつもりだったけど、落ちちゃったかも」
なぎさちゃんは、レシピカードのすみと、ふきんのぬれた部分を見比べました。
「ぬれ方が同じだ…これが原因だ!」

 3. 先生のヒント
家庭科の先生がやってきました。
「ふきんは、使ったらすぐにしぼって、きちんと置くのがコツよ」
「紙は水に弱いから、すこしのしずくでもにじんじゃうの」
「でも、ひよりちゃんのレシピは、ていねいに書いてあったから、読めるところもあるよ」
「うん…大丈夫。わたし、覚えてるから!」

 4. なぎさのまとめ
「なぞはとけたよ。レシピがぬれたのは、落ちたふきんが原因だった」
「でも、だれもわざとじゃなかった。気づかなかっただけ」
「それに、ひよりちゃんの記憶がレシピを守ってくれたね」
先生は、にっこり言いました。
「なぎさちゃん、今日も名探偵ね。やさしさと気づきの力だわ」

📘 読解力ワーク(先生・保護者向け)
質問
1.     レシピがぬれた原因はなんでしたか?
2.     なぎさちゃんは、どんな手がかりを見つけましたか?
3.     ゆうまくんの行動は、どうだったと思いますか?
4.     ひよりちゃんの記憶は、どんな役に立ちましたか?

 

名探偵なぎさの冒険
第8話:音楽室の消えたメロディのなぞ


登場人物
•     なぎさちゃん(小学3年生。名探偵)
•     りおちゃん(ピアノが得意。音に敏感)
•     けんたくん(元気な男の子。歌が好き)
•     音楽の先生(やさしくて、耳がとてもいい)

1. メロディが消えた?
ある木曜日の朝。

音楽室では、合唱の練習が始まるところでした。
「先生、ピアノのメロディがちがう気がします…」
りおちゃんが、そっと言いました。
「昨日のメロディと、なんかちがう…」
「えっ?同じ楽譜なのに?」と、けんたくん。
なぎさちゃんは、耳をすませました。
「たしかに…音がすこし低いような…」

2. なぎさのしらべ
なぎさちゃんは、ピアノのまわりを見ました。
楽譜は同じ。先生の指もいつも通り。
「ピアノの音が、ちょっと重たい感じがする…」
そのとき、りおちゃんが言いました。
「昨日、ピアノのふたが開いてたよ。今日は閉まってる」
「それだ!」と、なぎさちゃん。

 3. 先生のヒント
音楽の先生がうなずきました。
「そうね。ピアノのふたを開けると、音が広がるの。閉めると、すこしこもるのよ」
「だから、メロディが“消えた”ように感じたんだ!」
「音って、空気と空間で変わるんですね」
なぎさちゃんは、メモ帳に書きました。

 4. なぎさのまとめ
「メロディは消えたんじゃなくて、かくれてただけ」
「ピアノのふたが、音をかくしてたんだね」
「まるで、気持ちみたい…」と、りおちゃん。
「そう。ときどき、気持ちも音も、静かにかくれる。でも、ちゃんとそこにある」
先生は、ふたを開けて、もう一度メロディを奏でました。
「ほら、戻ってきたよ」

📘 読解力ワーク(先生・保護者向け)
質問
1.     メロディが“消えた”ように感じた理由は?
2.     なぎさちゃんは、どんな手がかりを見つけた?
3.     ピアノのふたが音にあたえる影響は?
4.     “気持ちも音も、かくれることがある”という言葉の意味は?

 

名探偵なぎさの冒険
第7話:図書室のとびらのひみつ
 

登場人物
•     なぎさちゃん(小学3年生。名探偵)
•     まなちゃん(なぎさの親友。本が大好き)
•     ゆうとくん(図書係。ちょっと力持ち)
•     図書室の先生(静かで、ことばの魔法使い)

 1. 開かないとびら
ある火曜日の昼休み。まなちゃんが図書室に行こうとすると、とびらが開きません。
「えっ?いつもはスーッて開くのに…」
「こわれちゃったのかな?」と、なぎさちゃん。
ゆうとくんが来て、力を入れて開けようとします。
でも、びくともしません。
「なぞのにおいがする…」
なぎさちゃんの名探偵スイッチが入りました。

 2. なぎさのしらべ
なぎさちゃんは、とびらのまわりを見ました。
すると、足もとのすみに、小さな紙がはさまっていました。
「これ…“とびらの下に紙があると、開かなくなることがあります”って書いてある!」
「紙がジャマしてたんだ!」
ゆうとくんが、そっと紙を引きぬくと――
スーッと、とびらが開きました。

 3. 先生のヒント
図書室の先生がにっこり言いました。
「とびらって、ちょっとしたことで動かなくなるのよ。紙1枚でもね」
「まるで、心みたいですね」と、なぎさちゃん。
「そうね。心も、ときどき小さなことで閉じちゃう。でも、やさしくすれば、また開くのよ」

 4. なぎさのまとめ
「とびらのひみつは、“紙1枚”だった」
「でも、ほんとうのひみつは、“やさしさ”だったかも」
まなちゃんは、うれしそうに本を手に取りました。
「なぎさちゃん、今日も名探偵だね!」

📘 読解力ワーク(先生・保護者向け)
質問
1.     とびらが開かなかった理由はなんでしたか?
2.     なぎさちゃんは、どこを見て手がかりを見つけましたか?
3.     図書室の先生の言葉には、どんな意味がありましたか?
4.     “心のとびら”という言葉は、どんな気持ちを表していると思いますか?