道東ドライブ2日目、霧多布岬を後にして、厚岸湾の反対側にある尻羽岬に向かった。
北海道には、かつて選ばれた三大秘岬(根室市の落石岬、室蘭市の地球岬、石狩市の雄冬岬)があるそうだが、厚岸の情報を検索していて現在の秘岬は、この尻羽岬を外せないというようなブログ記事を見つけた。そこで、絶対に行きたいと、従姉妹に提案した所、道東育ちの彼女でも知らなかった場所なので是非にという返答。シニア女性が行きたくなるような場所ではないと思うが、どうやら風変わりな場所を好むのは血筋のようだ。
岬に向かう途中、北海道ならでは体型の馬たちにも遭遇。NHKの朝ドラの馬を思い出した。
さて、岬に向かう道はほとんど他の車が走っていない。さらに進むと皆無。道も整備されてはいるが、走りやすいコンクリートの道ではない。尻羽岬の標識も傾いていた。要は物好きでなければ訪れない場所。
たどり着いた駐車場に勿論他の車は無い。夏のシーズン真っ盛りなら、来る人はいるのだろう。古いトイレがポツリと立っている。
駐車場から海の方に小高い丘があり、灯台もなにも見えない。看板には、二輪車での侵入を禁止する旨が書かれている。
その小高い丘を登ってたら、きっと綺麗な海原を目にすることができるのだろう。期待が高まり、歩き始めた。少し行くと、従姉妹が遠くを指差して言った。「なんか建っているね。灯台にしては小さすぎるけど…」「行く?」「ンー私はやめておく」
私1人で行くことにした。
二輪車侵入禁止なのに、タイヤ痕が続く。そこを無心で歩いた。小高い丘の頂上からは、更に道が続き海岸は全く見えない。
遠くから見えたのは海難の慰霊碑だった。
岬にたどり着きたい。足早に歩き続ける。ところが大粒の雨がものすごい勢いで降り始めた。岬は見えないし、ずぶ濡れになるのは嫌だ。小走りに今来た道を戻ろうとすると、全く分からない。焦ると、彼方に従姉妹の姿が見えた。あー良かった‼︎
車に戻るとザアザア雨。最後まで辿り着けなかったのは残念だったが、まさに地の果て体験。行って良かった。