最近書き込みが滞っておりましたが、ちょいとシリアのあるものに関して原稿を書いていたので...
昨日ようやく書き上げました! 開放感でいっぱいです。
さて、今回は
ヨルダンのビールを呑み倒す(1)アムシュテル
の続きです。
街中で見るビールのほとんどがアムシュテル(写真左端)というヨルダンのビール事情ですが、それ以外にも個性的なビールがちらほら。今回はそんな個性派ビールをご紹介しましょう。
フィラデルフィア・ビール Philadelphia Beer
写真右端。フィラデルフィアというのは、アメリカとは関係なく、アンマンのローマ時代(特にデカポリス同盟時代)の都市名。アル・フセイン・モスク前にもフィラデルフィア・スークという服飾材料スークがありますね。このビールももちろんヨルダン製。
ラガービルです。飲み口はすっきりしていて、アムシュテルの代用品としては非常に重宝する存在でしたが、残念なことに今は生産中止になってしまったとのこと。なぜでしょうか?
ペトラビール Petra Beer
アムシュテルはオランダビールという印象が強いのか、シリアなど周辺国にいって「これがヨルダンビール」と出されるのが、このペトラビール。たしかに、ヨルダンのビールだとわかりやすい名前ですが...
缶の下部にご注目。黒ラベルだと8%、赤ラベルだとなんと10%。一番最初に飲んだのは、ヨルダン渓谷のデイル・アラーで夕方6時にバスがなくなり、仕方なく白タクに乗ってアンマンまで帰ってきた時のこと。サルト近くのドッキャーン(小さな雑貨店をこう呼びます)に立ち寄った若い運転手が、「ほれ」と手渡してきたのがこれ。しかも彼は飲んでいる。ムスリムなのに、というか運転手なのに。
その後も何度か飲む機会がありましたが、アルコール度数が強いというか、麦が強過ぎて、ウィスキーのような辛さがあります。不味くはないけど、2本目に手が伸びるビールではありません。まあ、劇的に不味いシリアのバラダビールほどでは、ないですけど。
このビール、売っているところがそれほど多くないですね。
アムシュテルダムAmsterdam
なんだかアムシュテルのバッタもんみたいなネーミングですが、実は強烈な個性を持つビールです。誇らしげに缶にでかでかと表記されている11.6%、すごい度数ですね。ヨルダンでは最強のビールといえます。その味はのどごしは強烈に辛く、アルコール臭もきつく、もはや泡の出る焼酎といった感じです。冷やして飲まないと匂いだけで悪酔いしそう。このビールも大きな酒屋でないと売っていません。ドッキャーンで売っている場合は、冗談のようにぬるいので本当にまずいです。
さあ、みなさんもヨルダンでビールの味比べしてみましょう。おっと、ヨルダンでビールが売っているのは、首都アンマン、アンマン郊外でキリスト教徒の多い北西部(サルト、フヘイスなど)、北部の中心都市イルビッド、東部のドルーズ教徒地区&サウド人の楽園アズラックです。南部は敬虔なイスラム教徒が多いので、中部キリスト教徒居住の南端カラクを過ぎると、港町アカバまでアルコール不毛地帯が続きますのでご注意を。ペトラの最寄りワディ・ムーサでは外国人向けレストランでは飲めますが、酒屋はありません。間違ってもマアーンなんかに持ち込まないように。ワディ・ラム沙漠はOKです。