アムシュテル Amstel
ヨルダンのビールといえばこれ、というほどの定番です。ヨーロッパで根強い人気を誇るオランダのアムステルビールを、ライセンス製造しているヨルダン産ビール。
アムステル自体には４種類の味があるそうですが、ヨルダンにあるのはラガータイプのアムシュテルラガーAmstel Lagerだけです。ちなみにヨルダン国内ではアム「シュ」テルと発音しています。アラビア語の表記は、少なくとも製品ラベルでは見たことがないので、公式にはないのでしょう。でもたまに
امستل
と書いてあるのを見ます。これだと アム「ス」テル なんですけどね。どうしてでしょうか。
アムシュテルはけっこう美味しいです。ヨルダンではオランダのハイネケンも売っていますが、断然アムシュテルでしょう。350ml、500ml缶と500ml瓶があり、なぜか私には瓶の方が美味かったので、重くても我慢して瓶を買っていました。2005年頃は１瓶1.3JD前後（店によって違いがある）でしたが、今では2JD近くまで値上がりしたそうです。瓶のリサイクルも１瓶５キルシュ（だったかな）くらいでしていましたが、時代に逆行して2006年になくなってしまいました。さすがヨルダンです。
ちなみにアムシュテルを最も安く飲めるのはシリアです。市中の最安値でロング缶50SP、一般的に75SP(2005年調べ）と、ヨルダンの半額くらいでした。今では若干値上がりしていますが。ただ、シリアには隣国レバノンからさらに美味しい（当社比）ビールが大量に輸入されており、こちらはヨルダンに出回っていないので、ヨルダン在住の人間がわざわざシリアでアムシュテルを飲むことはない、というのが実情でした。シリア、レバノンのビールについてはのちほどまとめますね。
アンマンのダウンタウンには酒屋が５軒あるのですが、それぞれ売値は異なりました。最も安いのはゴールドスーク向かい、パレスホテルから３軒ほどフセインモスク寄りにある酒屋で、ここはちゃんと大型ストッカーに大量に冷やしてあるのと、ワインなども他の酒類も品揃えが豊富なのでよく使っていました。夜７時くらいに閉まってしまうのが難点です。夜遅くまでやっているのは、中央郵便局の通りを１サークル側に３００mほどいったところにある酒屋です。但し、ここはダウンタウンでは最も高い値段設定でした。
ちなみに、「ラマダン中のヨルダンの１日」でも触れたように、ラマダン中は酒屋は１ヶ月間完全休業です。他にもムハンマド生誕日や没日などは１日休業します。そんなときは酒を売っている雑貨屋でこっそり買いましょう（雑貨屋でも律儀に商品は撤去もしくは目隠しをしています）
写真はイルビッドの酒屋内部。ヨルダンではビールは冷やすのが一般的なので、棚に並んでいるのはスピリッツ類です。
アムシュテルにはドラフトビールもある
アンマンでは、中級以上のレストランならビールがあることが多いです。ただ、缶や瓶が一般的で、ドラフトビールはあまりお目にかかれません。2007年頃まではダウンタウンのクリフホテルから１本違いの路地にあるサロモンというバーが、ドラフトビールを用意してくれていたのですが、しだいに品切れ（缶はある）ということが多くなり、2008年に行ってみたら店自体が閉店していました。なかなか雰囲気のあるバーだっただけに残念です（つまみはピーナッツ類のみ。カウンター裏の壁には、「いつもにこにこ現金払い」的な標語がアラビア語で書いてあり、首都に公務で上がってきたヨルダン各地のシェイフがアラビー羽織りのままお忍びでやってきては酩酊しているという光景がよく見られました）
さて、写真はジャバル・アンマンのレインボーストリートにあるラ・カレ。ここはリーズナブルな値段のレストランですが、１階がスポーツバー（といっても深夜以外はうるさくない）で、ドラフトビールを出してくれます。2009年時点で3.5JDとお値打ちです。
他に出すところは、ジャバル・アンマンの「治外法権地帯」ブックス＠カフェくらいでしょうか。ジョッキで4.5JDくらいと、ちょいと高めです（ジョッキ大と小があったはずです）。ここでは缶もありますが、せっかくなのでドラフトでいただいていました。ここは２階テラス席からの夜景がきれいですが、きれいに見える席は縁の３～４カ所なので、夏だと座れればラッキーといったところでした。
次回はヨルダンのゲテモノ？ビールについてご紹介しましょう。