ダマスカスの市内線大型バス その1からの続きです。
كراج جسر الرئيس カラージュ・ジスル・ライース発着便
ダマスカス市内、国立博物館の西側に、نهر بردىバラダ川をまたぐ大きな橋が架かっています。これが、ジスル・ライース。正式名称はジスル・ライース・ハーフェズ・アルアサドといいます。ライースとはアラビア語で「頭」の意味で、転じて大統領の意味にもなります。ハーフェズ・アルアサドは前大統領の名前です。写真左がハーフェズ。右はハーフェズ氏の次男にして現大統領のバッシャール・アルアサド。眼科医を目指してロンドンに留学していたものの、兄が事故死したために後継者として呼び戻された人です。
さて、ジスル・ライースの下のカラージュは、ワゴン型セルビスと古い大型バスが混在してごちゃごちゃ分かりずらいターミナルでしたが、ここも新型市内線バスの導入後、ようやく使える路線が判別できるようになりました。
No.18
旧市街内部にはバスが走っておらず、2008年にスーク・ミトハドパシャ~まっすぐな道を観光用に改修してからはセルビスも撤退したので、旧市街の東側キリスト教徒地区に行くのに非常に難儀していたのですが、このNo.18がそれを解決してくれました。
経路は、ジスル・ライースからシュクリー・アル・クワトリ通りを東進、陸橋を越えると右折してマルジェ広場に入り、広場北西角オマル・ハイヤーム・ホテル前バス停で停車後、29May st.を北進、シリア中央銀行前からバグダット通りに入って東進、バーブ・トゥーマ(トーマス門)に至るというもの。
空港からバスでバラムケに着いた観光客なら、まずはこのバスに乗ればカラージュ以外はたいていのところに行けるという優れものです。
カラージュ・ジスル・ライースでの乗り場は、2枚目の写真で奥に緑色のバスが見えるところです。3枚目は乗り場に到着したNo.18。左側に橋が見えますね。
なお、カラージュ・ジスル・ライースからカラージュ・ボールマン(ハラスター)行きは、大型バスはなく、セルビスだけとのことです。大型バスで行きたければ、北側を走るシュクリー・アル・クワトリ通りに出て、適当なバス停から前回紹介したNo.15を利用しましょう。
ساحة المرجة マルジェ広場発着便
新市街のホテル密集地帯のまんなかにあり、旅行者にはおなじみのマルジェ広場ですが、広場自体を発着するセルビスはありません。新型の市内線バス導入後、北西角のオマル・ハイヤーム・ホテル前にバス停が設置され、上記のNo.18など数系統がタッチアンドゴーしています。右写真がオマル・ハイヤーム・ホテル。ちょうどバスが曲がって行くところです。バス停は写真左手にあります。
No.13
このバスもタッチアンドゴーですぐに出て行くのですが、一応このマルジェ広場が始終点となっているようです。マルジェ広場~バラムケ~バーブ・モサッラ交差点~メイダーン通り~シリア国鉄のカダム駅前と進み、終点は、قدم عساليカダム・アサーリー。路線名も、カダム・アサーリーと呼ばれています。
右は、カダム駅前を通過するNo.13南行です。
الحامدية ハミディーエ発着便
ハミディーエとは、あの旧市街スーク・ハミディーエのことですが、バス停自体は旧市街西側外にあります。スーク・ハミディーエの外側は、ヒジャーズ駅に至るナセル通りですが、その1本南側、ファハリー・バルーディ通りに乗り場があります(右写真)。ここには今のところNo.22しか発着していません。
No.22
なぜこんなマイナーなバス停を取り上げるかといえば、このNo.22がやはりカダム・アサーリーへ行く、つまりシリア国鉄カダム駅へのアクセス路線だからです。ファハリー・バルーディ通りは東進の一方通行なので、乗り場を発車したバスは旧市街西側を城壁に沿って南下、バーブ・モサッラ交差点に出てからはNo.13と同様の経路です。復路はバーブ・モサッラからちょいと西進し、ハーリド・ビン・ワリード通りを北進してハミディーエの乗り場に帰ってきます。
カダム駅前で中心部行きのバスを待つ場合、No.22とNo.13が来ますので、往き先によって使い分けましょう。
シリア国鉄のダマスカスでの駅や乗り方については、
シリア国鉄に乗ろう(1)切符の買い方
もご覧ください。