ヨルダンの道路事情 ハイウェイと取り締まり&交通ルール | アーディで行こう

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「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

ヨルダンの道路はかなりの高規格だと何度か触れていますが、では実際にどのようなものなのか、ご紹介しましょう。

国土を貫く片側2車線のハイウェイ
ヨルダンの国土は北海道とほぼ同じ広さで、国土は片手鍋を伏せたような形を想像していただければわかりやすいです。柄にあたる部分は東側にあり、イラクへと通じる回廊になっています。約600万人の人口はそのほとんどが鍋本体の部分にあたる国土の西側に集中しています。ここを南北に貫く幹線は、首都アンマンより北側では2ルート、南側ではデザートハイウェイと称するルートで高規格道路で整備されています。北側の、アンマン~ダマスカスハイウェイがどのような感じか、下の写真を見るとよくわかります。
アーディで行こう-シリア・ハイウェイ

主要交差点は立体交差
たっぷりと道幅のある片側2車線が、中央の荒れ地をはさんで向かい合っています。主要な交差点は立体交差のインターチェンジが多いですので、手前の案内表示をよく見て、たいてい右に分岐するランプの手前か奥かどちらに入ればいいか確認しましょう。日本とは異なる右側通行(車)ですので、右方向へ向かう場合は手前のランプ、左方向へ向かう場合は奥のランプに入るのが通例です。

平面での分岐点で左折する場合は、一旦Uターンが多い

これも日本にない特徴の一つで、日本だと左折の場合は対向車線を横切ることになるのですが、ヨルダンでは、その分岐点を過ぎたあたりの上下道路間に、舗装されたUターン用のレーンがあり、分岐点まで反対車線を戻る形で今度は右折という形を取るのが一般的です。右の写真はデザートハイウェイのワディ・ラム入口交差点です。ワディ・ラムは写真左手に分岐する道路に入るのですが、写真右手でわかるとおり中央分離帯は塞がれています。右側車線(アンマンからアカバ方向)を走ってきた車は、いったんこの交差点を過ぎてからUターンして、バスのいる本線より左手奥に見えている右折レーンで減速し、右折するようになっています。
ちなみにこの交差点が、アンマンやアカバからバスでワディ・ラムを目指す場合の降車地点になります。ワディ・ラムから帰ってきてアンマンに向かう場合は、この写真をとっている場所でバスを待てばいいわけです。写っているバスはマアーン行きですが、アンマン行きはもっと大きなバスが来ますので、バスの大きさで見分けてください。マアーン行きに乗ってアンマンへ乗継ぐこともできますが、この地点ではマアーン行きは満席のことがほとんどです。
アーディで行こう-デザートハイウェイ

ハイウェイにもハンプ(道路上の盛り上がり)がある
写真がないのが残念ですが、ハイウェイでも集落に入る前に、速度を落とさせるため、道路をわざと盛り上げたところがあります。標識にも出ていますし、車の流れが急に落ちるのですぐわかります。一般的にこのハンプから先は速度制限が50kmとかと極端に落ちるので取り締まりにも気をつけてください。

スピード取り締まりは日常的
ヨルダンでも速度の取り締まりは日常的に行われており、たいていハイウェイでやっています。取り締まりの方法は、路肩にパトカーを置き、その運転席や助手席から野球で使うスピードガンのようなもの(記録写真が撮れるようになっているらしい)で向かってくる車のスピードを測るという手法です。
これも暑いヨルダンのこと。夏などは炎天下にパトカーを置いてやるなんて事実上不可能。ではどうするかというと、なんと取り締まりポイントに日除けのカーポートを造ってあるんです。日本の住宅地でもよく見るあれです。さらにすごいところになると、立派なコンクリート製の休憩所にでかでかと警察のマークを掲げ、4~5mの大きさでアブドゥッラー国王の写真パネルを出したりしています。こうなるともはや駐在所状態です。というように、どこで取り締まりをしているか、ヨルダンに住んでいればたいてい知ることになるんですね。

でも運転に不慣れな外国人がよく捕まっています。ポイントは
・集落の入口で、かつ日除けになる立体交差のあるところ
・上記のカーポート、あるいは警察施設のところ
・車の流れが急に遅くなったところ
といったところでは注意しましょう。ちなみにハイウェイの制限速度はなんと100kmでしかありません。流れは120~140kmなのにね。

よく外国人が捕まっているのは、
・アンマン~死海道路。連続する下り坂、急カーブが続く途中に集落のあるところ。
・アンマン~ジェラシュ 左手にタラールダムのダム湖を見ながら坂を下り、その先小さな橋(ザルカ川)を越えて登り坂に変わるところ。
・デザートハイウェイに点在する取り締まり地点(ここはどこでも)
といったあたりでしょうか。お気をつけ下さい。というか安全運転を。

シートベルトは忘れずに
ヨルダンでも前席のシートベルト着用は義務づけられています。アンマンなど市内では各交差点に警官が立っていますが、シートベルトを取り締まっていることが多いです。
また、ヨルダン郊外での事故は大事故が多いです。ワディ・ラム入口で日本製大型4輪駆動車(パ◯ェロ)が路駐してあったので近づいたら、車体の破損はたいしたことないのに、窓ガラスが血で真っ赤といったこともありました。
また、ラマダン中に見た事故では、バスやらトラックやらがひっくりがえり、車輪を上にして停まっていることもありました。日本ではあっても横転程度ですよね。
投げ出されるのを防ぐ意味でも、後部座席の人も、必ずシートベルトを付けましょう。

運転中の携帯も取り締まり対象
これは市内で捕まることが多いです。上に書いたように交差点などに必ず警官がいますので、それで捕まります。私の知り合いは短期間に3度も捕まっていました。

信号無視は記録装置あり
運転マナーの悪いヨルダンですが、なぜか黄~赤信号で交差点に突っ込む車はほとんどいません。これはカメラで監視している交差点が多いからなんです。日本のオービスみたいですね。お気をつけて。

ヨルダンの運転マナー パッシングはどけどけ
ヨルダンでは、パッシングは全て、100%「邪魔だ、そこをどけ」という意味なので日本風に勘違いしてはいけません。これは歩行者はもちろん、特に片側2車線のハイウェイを走っている先行車に対してばんばん行われます。日本の高速道路で追い越し車線をちんたら走っていても、後続車はいらいらしながらちゃんと待っていてくれますが、ヨルダンのハイウェイを走るなら、ドイツのアウトバーンばりに、追い越したらすぐ外側の走行車線に戻ってください。事故のもとです。私的には、日本でも見習ってほしいものです。

道路標識はわりとわかりやすい
道路標識は日本人でもわかりやすいピクトグラムが多いです。禁止は赤、規制は黄色、案内は青という原則も同じです。下にワディ・ラム入口の踏切近くの写真をあげておきます。
また、市内に多い一方通行の青地に白矢印、出口に立っている赤地に白横線の進入禁止も全く同じです。
アーディで行こう-ワディ・ラム入口