既に、火災の直接の原因がエンジン内部の配管のナット緩みであることはわかっていましたが……
報告書では、右エンジンの燃料噴射ノズルにつながる18本の配管のうち、1本で接続部のナットが緩んでおり、少量の燃料が漏れて、エンジンの熱で発火したのは、分解整備の際にナットの締め付けが不十分でエンジンの振動などで除々に緩みが進行した可能性があると結論しました。
当初、国交省の指示で、事故機と同型機13機を点検した所、3機でもナットの緩みが見つかったことから、設計ミスの疑いもありましたが、運輸安全委員会は整備ミスと断定、担当したIHIにナットの締め付けなどの作業体制を点検するように安全勧告しました。
その一方、事故機が火災警報から消火開始まで2分以上掛かったことを、調査報告書は指摘。
『火災の警報が出た場合は迷わず高い危機意識をもって、対応すべきだった』と、ジェイ・エアの火災発生時の訓練見直しなどを求めました。
事故の直接原因ではないですが、大事故の原因に繋がる失敗が、この事故にもあったようです。
民間機のコンピューター化が進むようになって、パイロットがコンピューターの指示を無視して、大事故に至る例が増えています。
毎度、航空機事故の原因ってのは、複雑怪奇で興味深いですが、現代の航空機の場合、一つの原因で事故に至ることは、まずないみたい。複数の事故原因が相乗して大事故に発生している感じです。
この事故の場合、幸い乗客乗員55人にケガはなかったですが、このような事故の積み重ねが、やがて大事故に発展するので、徹底的な事故原因究明が必要なのです。