中世ヨーロッパの人口を3分の1に激減させたとも言われる、黒死病を巡っては従来から諸説があります。
現在はペストと呼ばれていますが、黒死病とペストはそもそも別物であると言う説もありました。
今回発表された新説は、記事によれば、14世紀にペストで死亡した人の遺体から取り出したペスト菌を調べたところ、現在のペスト菌とほとんど遺伝的に変わりがなかったことがわかったそうです。
では、なぜペスト菌による人類の大量死が起きたかに関しては、14世紀の人々が、ペスト菌に対する免疫能力を全く持たなかったこと、衛生・栄養学的な問題、小氷期の時代で気温が低くペスト菌が活動しやすかったことなどを挙げています。
つまり、ペスト菌はある日、人類にとって強毒性を獲得したのではなく、人類の方が防御力がなかったと言うことらしい。
言い換えれば、現代でも、新種の強毒性を持った菌・ウイルスが発生すれば同じような事態になると言うことで、強毒性鳥インフルエンザなどはその最有力候補なのかも知れない。
しかし、ヨーロッパで猛威を振るったペストも、ヨーロッパの人口の3分の1しか殺せなかったわけで、残りの3分の2はペスト菌に耐えられたか、遺伝的な免疫機構を持っていたことになる。
ウイルスの攻撃は、人類にとって最大のナチュラルセレクションであることは確かでしょう。