宇宙エレベーターってのは、静止軌道上に宇宙ステーションと地上をワイヤーで結び、その間を自走式の移動体を行き来させて、宇宙に行こうってシロモノです。
原理はひどく単純なんですが、単純なものほど難しい。地球と宇宙ステーションとの間を結ぶワイヤーからして、現在は存在しません。
理由は簡単で、ワイヤーは長くなるほど自重が重くなるからです。昔の潜水球が千メートル以下しか潜れなかったのは、ワイヤーが潜水球+自重に耐えられなかったからです。
近年、カーボンナノチューブの宇宙エレベーターへの応用が考えられていますが、いまのところ静止軌道上まで届くような長さのカーボンナノチューブを作成できる技術はありません。
仮にワイヤーが出来たとしても、次の問題は、静止軌道までどうやって、人・物を運ぶかです。
普通のエレベーターと違って、ワイヤーで引っ張り上げるわけにはいかないので、自力で宇宙空間までワイヤーを辿って行かなければいけません。
それがこの実験。
気球で上げた350mの長さを登る、『エレベーター本体』です。
平たい紐状のものをワイヤーに見立てているのですが、空中にあるから、揺れるわ、たわむわ、捻じれるわで、各国チームも悪戦苦闘です。
残念ながら日本の大学チームは、故障により棄権となりました。
やっぱり、軌道エレベーター方式は難しいですかね。
軌道エレベーターがダメでも、超高鉄塔方式ってのもあるんです。高さ50Kmほどの鉄塔を建てて、内部をリニアモーターで加速させた宇宙船を走らせて、一気に宇宙空間に打ち出そうって方式です。
実際には、大気圏の下層を抜けるだけでも、燃料は大幅に少なくて済みますから、10Km程度の鉄塔でも十分だと言う説もあります。
現在のロケットの性能では、国際宇宙ステーションを組み立てるだけでも、ひと騒動ですから、早晩なんとかしなければいけません。
人類の科学力はまだまだですねぇ……