原稿って良いなぁ…… | パイプと煙と愚痴と

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単なるオヤジの愚痴です。

珍しく一日、外出して寝る前の一服をしているところです。

今日は、ほとんど最後の文学仲間で、先輩でもある人と、横浜美術館から神奈川近代文学館を歩いて回りました。

午前中はセザンヌ展を見ましたが、絵心のないオヤジにはやはり今一ピンと来ません。芸術はなんでもそうですが、感情移入ができない素材は駄目ですね。

セザンヌより、ダリの方が良いって言って、文学『先輩』にお説教されましたよ。

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それから、実に久々に神奈川近代文学館に行きましたが、やはりこちらが『本職』だけあって、いつ行っても楽しい。
神奈川近代文学館には、著名作家の直筆原稿が常設展示されています。

やはり、手書き原稿は良いですね。
作家の創作の軌跡がそのまま見えますからね。立原正秋先生の『剣が先』の冒頭などは、一枚目の原稿の100文字近くが棒線で削除されています。

棒線ですから、どんな文章が削除されたかがわかります。おそらく余計な描写に入り込んだと思って削除したのかと推察しているのですが、こんなことが出来るのも原稿ならではでしょう。

別の作家は、几帳面に徹底的に黒塗りにして、文章を見えないようにしている作家もいます。
なにを書き込んだのか気になるところでもあります。

今はワープロ全盛になって、作家のこんな陰の苦悩が見えなくなってしまったのは本当に残念です。

ちなみに一緒に行った某先輩は、若いときはショートショートで活躍された方。ショートショート専門誌廃刊とともに筆を折ってしまい、絵画の評論に転向したと本人は言ってますが、あれから数十年、未だに絵画の評論は完成していないようです。

これは文学『先輩』が、未だに原稿を愛用していて、しかも徹底的に原稿上で推敲する作法が影響しているのでしょう。これで評論のような大作を目指すのは至難の業です。

オヤジの場合は、原稿時代は気に入らなければ、すぐに放り投げるタイプ。書いては捨ての連続だったので、これまたなかなか進みませんでした。

ワープロが進歩したお陰で、今まで細々と続けて来られたようなもんです。
しかし、人に見せるつもりがなくなったので、また原稿に回帰して見ようかなとも思ってます。

升目を埋めていく作業も、これまた楽しく思えるようになってきましたので。