ショートショートの書き方、その4 | パイプと煙と愚痴と

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単なるオヤジの愚痴です。

さて、その3に続いて、オチコボレ組のショートショート作成法、その4をはじめましょうか。

ショートショートで、一番難しいのはオチよりも『構成』です。

一般的に、小説は編年体(物語の進行と時空が一致していること)で書かれているのが普通です。
長編になると、一時的に回想録風になるものもありますが、物語のメインの進行と時空(時空連続体の略)は一致します。
あるいは、いくつかのエピソードの積み重ね、(複数の主人公による)多重な視点をつなぎ合わせたりするのもあります。

では、ショートショートの場合はどうでしょう?
はっきり言って、てんでばらばら、奇想天外なものばかりで、上記のような『正統』な構成は滅多にありません。
逆に、完全に進行と時空を一致させたのもあります。最初から最後まで、会話文のみ、一切の説明なしでショートショートを成立させたものも少数ながらあります。

ここら辺、具体的な例示をしたいところですが、著作権の問題もありますし、ショートショートの一部だけを記述しても意味がないでしょう。
実際の作品ごとの研究については、各自で勉強していただくしかありません。

しかし、ショートショートを書く上での、構成上の基本的なテクニックというよりも、『心構え』に近いものはあります。

その1:
ショートショートの『構成』は何でもありである。(アイデアに合った構成なら、何でも良い)
その2:
いきなり切り出せ。(『起』に当たる部分は、出来る限り明瞭かつ簡潔に、切り口鋭く)
その3:
読者を裏切れ。(オチが『起』で見えてしまったら、そもそもショートショートになっていない)
その4:
但し、読者を騙すな。(『なんちゃってオチ』もショートショートにならない。伏線が必ず仕込まれてないといけない)

以上がショートショート『構成』のための『心構え』であるが、ショートショートも小説の一形式であるから、短編以上の『一般的』な約束事も適用される。
例えば、以下のようなことであろう。

その1:
一人称か三人称かの統一。(長編なら、切替えることもできるが、ショートショートでは枚数が足りない)
その2:
登場人物(動物でも、宇宙人でも、ロボットでも)の制限。(一人か二人、三人以上はかなり難しいでしょう)
その3:
時制の一致を明確に。(時空をあちこち移動するのは結構だが、移動する前に、ちゃんと『行き先』を明確にしておかないと『徘徊老人』小説になってしまう)

大体、以上のようなところが『約束事』であるが、『一般的』な小説の『約束事』と、特に変わらないと思う。
敢えて、もう一つ付け加えるとすれば、『自分以外に読んでもらうことを前提』にすることである。
『自分以外』とは、ショートショートに詳しくて、かつ、親しくない人であれば、あるほど良い。

逆に、『同人誌』の仲間内に読んで貰っても、大して意味がないだろう。(多分、誤字脱字くらいは指摘してくれるかも知れないが)

昨今は、某作家によると『ショートショートって何?』って言われたりする時代だそうだ。
ショートショート創作よりも、読者を見つける方が大変かも知れない。
だが、その一方私くらいの中年以降のオヤジ共には、未だにショートショートファンも多い。

若い人なら、いきなりオジサンに批評してもらうのも、気が引けるだろうが、今はHPとかブログとかで作品を公開することも可能な時代である。
ここら辺は、アイデアと作者の情熱次第である。

ちょっと、話が横道に逸れすぎてしまったようだ。
次回は、もう少し具体的な『構成』について話をしたいと思う。
(そろそろ本業が忙しくなりそうなので、間があくかもしれません。あるいは単にボケて忘れちゃうかも知れません。そのときはリクエストしてください。できるだけご希望に添うようにするつもりです)