夜になって、鎌倉は強い風雨に見舞われています。
桜の開花前であったのは、なによりですが、風のうなりに耳を澄ませていると、なんとなく海鳴りの音が混じっているようにも聞こえます。
そこで思い出したのが、川端大先生の「千羽鶴」です。
読んだのは、若い頃なので粗筋もウロ覚えですから思い違いかもしれませんが、主人公が風の音に耳を澄ませているうちに、自らの終幕が近いことを悟り、愕然とする……確か、そんな場面があったように思います。
さすがに、この歳になると、そろそろ『覚悟』しておかなければならないのですが、凡夫には無理ですねぇ。
できることと言えば、立ち上るパイプの煙りとともに、迷いも消えるがいいと念じるだけのつまらない男なのですから。
- 川端 康成
- 千羽鶴
