「ダメコン」は英語でも通用するそうです。 | パイプと煙と愚痴と

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damecon  

徹夜明けでボケていますが、内外問わずボケてはいられない状況のようです。
そんな昨今にお薦めの一冊が、写真の「アメリカ海軍に学ぶ危機管理術」です。
なんとなく、堅苦しいタイトルですが、米海軍の危機管理術(ダメージコントロールと言うらしい)を、わかりやすく、過去の事例を引いて解説してある良書です。

詳しくは読んでもらうしかないが、ちょっと盲点を突かれたエピソードを紹介しよう。
それは、空母で働きだしたばかりの新兵君の話だ。
その新兵君、ある日、飛行甲板にうっかりボルトを落としてしまったことに気が付いた。
現代の艦載機は、空母に時速数百キロで着艦するのだ。それは、「コントロールされた墜落」と呼ばれるほどの凄まじいものだ。
たとえ小さなボルト一個とはいえ、下手をすれば、艦載機のみならず飛行甲板が火の海になる大惨事の原因にもなる。
その新兵君、迷わず上官に「すんません、ボルト落としました」と申告した。
ただちに、着艦体制に入っていた戦闘機は、着艦を中止し、飛行甲板は乗組員総出で、新兵君の落としたボルトを探し出したのだそうだ。

さて、その後、ドジな新兵君はどうなったのでしょう?
旧帝国海軍なら、上官にボコボコに殴られたことは、想像に難くないが、米海軍の場合は違った。
新兵君、艦長に呼び出され、直々に「あんたは偉い」と、お褒めの言葉をいただいたそうだ。

ドジをして褒められるのには、違和感があるかも知れないが、よく考えてみれば当然だろう。
新兵君が正直に申告しなければ、多大の税金を投入した空母とその乗組員の生命が、重大な危機にさらされることになったからだ。

如何に危機管理の組織を作ったとしても、情報が遅滞なく流通する体制がなければ意味がないという、教訓である。
昨今でも、欠陥車を作って危機に瀕した会社があったが、危機管理の体制を作っても、相変わらず欠陥隠しが直らない某社の例を見てもわかるだろう。

ちなみに、戦後、海上自衛隊は、深く反省したようで、米海軍のダメージコントロールの手法を徹底的に研究し、現在では本家米海軍を凌ぐ、ダメージコントロールを可能にしたのだそうだ。
そして、この頃では、海上自衛隊の「ダメコン」は、米海軍でも通用するようになってしまったとか。

本当に、ダメージコントロールが海上自衛隊に定着したのかは、近い将来の「尖閣諸島沖海戦」で、証明されることになるだろう。

著者: 三野 正洋
タイトル: アメリカ海軍に学ぶ危機管理術―自己責任時代の生き方