where the wild things are
official trailer
http://www.youtube.com/watch?v=2NOkQ4dYVaM
WHERE THE WILD THINGS ARE
2009/アメリカ/1時間41分/ワーナー・ブラザース映画
監督・脚本 スパイク・ジョーンズ
原作 モーリス・センダック
キャスト マックス・レコーズ 、キャサリン・キーナー 、マーク・ラファロ他
音楽 カレン・O / カーター・バーウェル
いたずら好きでやんちゃな少年マックスは、お姉ちゃんやお母さんとのいざこざから家を飛び出してしまった。夜の海、ひとりボートを漕ぎだしたマックスが行き着いたのは不思議な島だった。
そこには、けむくじゃらだったり、大きな頭をしたかいじゅうたちが暮らしていた。そして、あることからマックスはその島の王様になってしまった!
世界中で多くの人に読まれ続ける絵本が原作となっていて、監督がスパイク・ジョーンズだったら、子どもだましで、当たり前の展開をむかえるような映画になるはずがないってことを忘れて観てしまいました。
いろんな感情がやつぎばやにやってきて、ちゃんとシフトしきらずにときどき重なったりして不思議な気持ちになる。初めて観た映像から生じる感情は、当然そこでしか起こらない無二のものなんだと思うけれど、感じるものの対象は違うだけでどこか感じたことのあるような懐かしさも内包してる。
でも、日常で自発的にそれを起こそうとしてもできないから、代替としての映画のシーンはそれだけでも快楽。
それも、かいじゅうたちの表情や言動が予想以上に人間くさいためにそうなりやすかったのだとおもう。CGじゃなくて本当に気ぐるみを使って撮影したらしく、それがとても自然でよかった。
そして、音楽がまた世界をきらきらさせるというかとても素敵!
冒頭がとてもすき。うわーってなってくしゃくしゃになる。
はじめにマックスがかわいすぎるということと、頭のおっきなかいじゅうたちがあいくるしすぎることでビジュアル的にノックアウトなのだけれど、それを含めて大切にしまっておきたくなるような気持ちになったのは温度があるからだとおもう。
感情の伴わない鑑賞は、絵でも写真でも刹那的というか光って消えるような印象だけれど、どこか生生しくて気持ち悪かったり、怖かったり、っていうリアルな感情が伴うことで忘れがたいものになるのは誰でも経験のあること。
まさにその感情が伴った映画体験になったなあと実感しちゃいました。
これがなかったら、そのまえにとても好きな作品にはならないけれども。
そう思えたのも、メッセージはとてもシンプルなんだけど、それをありきたりにシンプルには見れなかったから。スパイクジョーンズのすごいとこをまたも感じる作品でした。
ランニング師走
最近お気に入りのことば“師走”。
先日、文字通りの全速力を出してパチンコ屋さんに駆け込む人を見ました。
衝撃的だったので、お店の中の階段までも2段とばしでかけあがるその人をしっかり見届けました。
見届けたあと、なんであんなに走っていたのか という疑問のアンサーが“師走”でした。
またこの時期は、走らないことで有名な友人が走っていたという目撃情報も確認されています。
けどまあ師走じゃなくたって突然走りたくなるときもある。
走る→心臓が急いでビートを打つ→気分の高揚 すてき!
一定の年齢に達すると、スポーツとかしてない限りなかなか本気走りする機会にも恵まれません。だから、うずうずしたら走ればいい。笑いながら走ったらなおよい気がします。
そんな“笑いながら走る”最強説を唱えているのがこの映画!

2006/日本/71分/リトルモア=リトル・モア
dir. 横浜聡子
cast. 野嵜好美 藤岡涼音 ぺーター・ハイマン ひさうちみちお
主人公よし子は16歳にしてそのルックスから、同僚のドイツ人に「ゴリラーマン」と呼ばれる。学校にもいかず、ぼろやに一人で住み、歌手を目指している。曲作りのインスピレーションは近所の小学生や少ない友人に語らせるトラウマである。わがままに粗暴によし子は不幸をふきとばす。
なんなの、この主人公。私はずっと男の子だと思っていた。それが、ゴリラーマンことよし子だった。
16歳の女の子がドイツ人にゴリラーマンと親しみをこめて呼ばれているとこがまずおもしろすぎる。
そして、最強なのは見た目なんかじゃなくてそのわがままで媚びなくて暴力的な性格。何がどうしてそうなったの と思わざる負えない破壊力。しかし小学生から金を巻き上げてもなお先生、と慕われる謎のカリスマ性。
終始くすくす時々わっと笑ってしまうめちゃくちゃ。でも、センスよくめちゃくちゃに見せてるから笑えるのだ。でも肝心なのが、笑えるからって決してコメディじゃないということ。アマゾンのカテゴリでに「日本コメディ」ってなっていたのにはとっても不服!
ふざけていそうで、生と死と金ときもちわるいものと避けてしまうものと なんだか人間から切っても切れないような要素がいさぎよく描かれているのだ。人間とか現実とかのごちゃごちゃ。バカらしいのにバカらしくない。考えちゃいます。
落ち込んでるときに観たらよいかも。私もなんだか気分ののらないときにふらりと入って観た映画で、とてもびりびりしました。不幸ぶるな!おセンチになってんじゃねー!と。
笑いながら走る、これは力強い。
この映画、というか私が観たこの監督の作品はホラーとかサスペンスとはちがった形で不安を与えてくる。安心感の薄い作品。でも、とっても魅力的で見ずにはいられない。これを女性が撮っているなんて かっこよすぎるよ。
冷たい水

『冷たい水』L'Eau froide
1994 年/92 分
dir.:オリヴィエ・アサイヤス
cast:ヴィルジニー・ルドワイヤン、シプリアン・フーケ、ラズロ・サボ、ジャッキー・ベロワイエ他
70年代の10代後半の若者たちの物語。ロック、マリファナ、ビートニク、刹那的な彼らの姿は同じ年ごろだったアサイヤス自身である。
“その頃”というのは、明確な出来事をもってはじまるわけでも、終わるわけでもない。
だから、この映画の物語をなぞることはさほど重要なことではないと思う。
じゃあロックの知識もないし、マリファナも吸ったこともないし、ビートニクの詩人だって名前しか知らないような人が見てどうか というのは個人によるとも思うけれど、彼らの抱える“粗さ”はだれしも持ち合わせていたものなんじゃないか と。
それは、全編16ミリで撮影されたという映像、音楽のつなぎだったり、彼らの洗練されていない身体だったり。音楽が結構フューチャーされていたので、もっと巧妙に入ってくるものだっと思っていたけど、逆にその粗さが自然だったと感じたり、洗練されていない若い身体がとってもセクシーだったりして新鮮。
そんな粗さの中にも彼らの繊細で微妙な感情が見え隠れする。
主人公のジルが父親に怒られたあと、友人から買った爆弾?を弟に「子供の遊びだから」とくれてやるシーンや、その彼女のクリスティーヌが警察で取り調べを受けるシーン。
言語化されていないその身体は、無秩序のなかに紛れ、自分でも上手く扱うことができない。
そういうことはみんなあると思うけど、そこに共感するのがいいというわけでもないかもしれない。そこはよくわかんない。だけど、違う国の、違う世界のこととして切り離して対象的に見ることもできなかったし、70年代ロックにノスタルジーを感じたり、マリファナの多幸感を回想することもできなかった私は、そこにある種の共通感覚があると思った。
その曖昧な立ち位置のなかでこの映画の必要性を感じるのは、その底流を流れる感覚でなんとかつなぎながら、まったくといっていいほど違う世界の断片を見ることで新しい言語を獲得することだと 。
そんなありふれた考え方でも、この映画は人によってはそれが顕著に感じられるものだったと思う。だから、知識とか経験とかはなくても、こういう音楽と映像もかっこいいなーとそれだけで結構で、やっぱり物語を丁寧になぞるだけでは退屈な映画で終わってしまう と感じる映画でした。
収録曲
Janis Joplin "Me & Bobby McGee"
Creedence Clearwater Revival "Up around the bend"
Nico "Janitor of lunacy"
Roxy Music "Virginia plain"
Leonard Cohen "Avalanche"
Bob Dylan "Knockin' on heaven's door"
Alice Cooper "School's out"
Uriah Heep "Easy livin'"
Donovan "Cosmic wheels"
