初めて参加した自助グループは、家からとても遠かった。
キリスト教の信者のための集会所みたいな場所で、中高年の方たちが10人も居なかった。
何故か神父さんみたいな方がいた。
その方に、どういった経緯で此処に来たのか聞かれたけど、曖昧にして、何も答えなかった。
何も答えられなかった。
正直怖かった。
どうして初対面の人間を信じられるの?
こんな宗教みたいな集まりで。
私は完全に殻に閉じこもった。
後で知ったことだが、
アダルトチルドレンの自助グループには、キリスト教からの教会や集会所の提供協力が多い。
アダルトチルドレンの自助グループには、
アダルトチルドレン克服のための「12のステップ」というものがあるが、
元々、英語で作られたものを和訳しているため、なんだか堅苦しくて宗教的に感じる。
「12のステップ」のためのグループに参加すると、
皆で輪になり手を繋いだり、文言に「神の存在」の表現があったりで、より宗教感が強まる。
初めて参加した人は、少し怖いかもしれない。
私は正直怖かった。
神父さんが司会をして、
集まった方々が、弱音を吐露していった。
つらかった過去。
現在の生活のストレス。
不安や愚痴。
自分にも順番が回ってきたけど、
やはりパスをした。
私みたいな新参者の前で、
皆、正直な気持ちを話してくれた。
私はいつも、弱さや短所を見せるのが苦手で、
嘘を吐いても自分を大きく見せようとしていた。
それをしなくていい場所に来ても、
なかなか自分の話をすることが出来なかった。
初めて参加した自助グループを皮切りに、
家から行ける自助グループへ、積極的に参加し始めた。
色々な人の話が聞きたくて。
楽になるヒントが欲しくて。
ずるいやり方かもしれないと思ったけど、
藁にもすがる思いで参加した。
自分の腹のなかは隠したまま、
色々な人たちの話、経験を聞き続けた。
泣くひともいた。
泣くひとが多かった。
人の話を聞きながら、一緒に泣いた。
笑うこともあった。
明るく話す毒親への愚痴に、
分かる、分かる、とみんなで笑った。
私は不思議だった。
なんで皆、そんなに他人を信用出来るの?
なんで皆、そんなに弱さをさらけ出せるの?
私はいつも話を聞くだけ。
でも、そんな私でさえ、受け入れて貰えた。
色々な人がいた。
性的な虐待を受けていた人。
他人への攻撃性を止められない人。
いじめの被害者。
明るい人もいた。
自分をサバイバーだと誇る人も。
自分をモンスターだと恐れる人も。
私のように喋らない人も。
片親で寂しい思いをした人。
吃音がある人。
若い人。学生さんや社会人。
主婦の方。
障害者雇用の方。
無職の方、生活保護の方。
中高年や老人の方も。
老若男女。
色々な人がいて、
皆、苦しんでいて、
皆、普通の人に見えた。
普通の人にしか見えなかった。