毒親あるある書いたら、私がくらってしまった。
今日は可愛いビビのはなしをしたい。
ビビは10歳過ぎた老犬で譲渡された小型犬で、血統のある繁殖リタイア犬だった。
小さくてふわふわで、こりゃ繁殖したくもなるわ、って位可愛かった。
度重なる出産で歯が抜け、
ブリーダーが檻に入れていたため、檻の形に腰のあたりが曲がっていた。
栄養状態も悪く、毛が抜けて、背中のピンク色の皮膚、背骨の形が見えていた。
10歳で決まった譲渡だけど、ずっと繁殖を繰り返していたため、避妊手術も必要だった。
お腹に手術の跡を残し、
たぶんボロボロの状態でうちの家に来た。
うちの家に来たとき、ビビは緊張していた。
ゲージから出て来ず、鳴きもせず、静かに不安そうな顔をしていた。
触っても撫でても微動だにしない。
とても大人しいワンコだった。
当時私は派遣会社で、一つの仕事の期間が終わり、次の仕事が決まった状態で、始業の開始をちょうど待機していた。
年末年始を含めて、約1ヶ月。
私は迎え入れたばかりのビビと一緒に冬を過ごした。
うちの家は1階が不思議な造りで、居間がとても寒かった。
私は居間にいるときは、ビビを膝に乗せて過ごした。
老犬にうちの家は寒かろう、と思ったから。
ビビは抱っこしても微動だにしなかった。
私は犬猫は言葉が通じると思っているので、
よくビビに話し掛けた。
寒いから抱っこしてるけど、
厭だったら厭がってね。
私は何もしないよ。
安心していいよ。大丈夫だよ。
可愛い顔だねえ。
べっぴんさんだ。
こりゃ繁殖したくなっちゃうかもねぇ。
お疲れ様だったね。
ここで老後を一緒に過ごそうね。
ねえね(私)、仕事始まったら家にいない時間が増えるけど、夕方に帰ってくるね。
そしたら、ビビのことまた抱っこするからね。
寂しい思いさせるけど、
帰ってきたら、ビビの気が済むまで、抱っこするから。約束するから、許してね。
ビビが食べられそうなおやつを買ってきて、
一緒に食べたりもした。
これは美味しいね。
これは固いね。
これは柔らかいけど、あんまり美味しくないね。
これはリピート無しだねえ。
なぜか獣医さんに褒められた。
飼い主も一緒に味見するなんて偉い、って。
私は胸を張った。
少しずつ、ビビが私の顔を見るようになった。
抱っこの膝から降りて、少しずつ探検するようになった。
自分から膝に乗るようにもなった。
畳んだ洗濯ものに突っ込んで来るようになった。
残り少ない歯で、洗濯ものを引っ張り、振り回すようになった。
やめて、とか、行かないで、とか、
注意すると嬉しそうに、余計やるようになった。
毛がふさふさになり、体重が増えた。
皮膚と背骨が少しずつ見えなくなった。
ビビは食欲旺盛だったけど、
盗み食いなどは、しなかった。
考えにも無かったんだと思う。
私が生クリームをこぼしたときも、
首を傾げて生クリームを見ていた。
母親が生卵をこぼしたときも、
頭に掛かったのに、そのまま通り過ぎた。
頭が黄色くて、可愛かった。
人慣れしたビビは、とてもマイペースだった。
私の次の仕事が始まった。
昼間のビビは、老犬で心配だからと、しばらく母親の職場でお世話になった。(大人しかったので、そのまま定年まで、ずっとお世話になった)
夜帰宅すると、ビビが玄関でクルクル回っていた。
鳴くのが下手で、よくプスプス言っていた。
帰宅して手を洗うと、すぐにビビが膝に乗った。
それから、抱っこしたまま夕飯を食べ、
抱っこしたまま居間で過ごした。
撫でたり、お喋りしたり、テレビを見たり、私ひとりケータイを見たり。
ただ抱っこして一緒に過ごす。
帰宅からの1~2時間、ビビは私の膝で過ごした。
一緒にソファーに横になったりもした。
ビビは階段が登れない。
もう就寝する母親が、階段を降りてビビを迎えに来る。
「ビビ、寝るよ」
声が掛かると、ようやくビビが私の膝から降りた。
たぶん、ビビは私が言った、
帰宅したらビビの気が済むまで抱っこする、
約束を覚えていたんだと思う。
着替え?
ごはん?
ちがうよ抱っこでしょ!!
って当たり前な態度が、可愛かった。
ビビが天寿を全うした後、
私のペットロスは、抱っこロスだった。
毛布や枕などを抱いて寝て、
よく分からない夢のなかで、いつもビビを抱っこしていた。
最近は、野良猫と仲良くなって、
抱っこさせて貰って、
ついでに虫に刺されたりしている。
ビビの生き方、タヒに方は、
私の考えに大きく影響したと思う。
ビビは人間に虐待を受けたと思う。
なのに、人間嫌い、人間不信にならなかった。
家族以外の人間に、まず興味がなかったけど。
小柄なお婆さん、
セーラー服の女子学生、
土方姿の男性を見掛けると、
ビビは時々走って頑張って追い掛けた。
多頭飼育のブリーダーからレスキューされ、
しばらくお世話になった保護団体のお家の方々に似ているらしい。
確かめるように顔を覗き込んでいた。
いつも上機嫌で、ニコニコしていた。
壮絶な過去など、あっさり水に流して。
たどり着いた不仲な家庭で、
みんな、大好き、
ごはん、美味しい、
毎日、幸せ、幸せ、幸せ。
ニコニコと長生きした。
最後は時々痴呆で、
あなた、誰?
ってなったけど、
でも抱っこは好きかも~、暖かいかも~、
まあいっか、
で、のんびり暮らしてくれた。
最期まで生き切ってくれた。
ペットロスになったとき、
何かの本で読んだ。
幽霊が見えるひとがこう言っていた。
「ペットは幸せしか覚えていない。
出会えて良かった、家族になれて良かった、って心から思ってる。
大好きな飼い主が落ち込んだり、後悔ばかりすることを望んではいない。
大好きな飼い主に、自分と同じように、
出会えて良かった、一緒にいて幸せだったと、ずっと思って欲しいと願っている」
ビビもそう思ってると思う。
だから、トラウマみたいな後悔もあるし、思い出してつらいときもあるけど。
出会えて良かった。
家族になれて幸せだった。
ビビみたいに、幸せだけを考えるよ。