赤眼の猫 第一回 | どもっ!空気大好き!うまよしです!

赤眼の猫 第一回

「痛っ!うわー!なんか目にゴミが入ったよぉ。」

寒空の飲み屋街を鼻歌まじりで歩いていた、フトシが言った。


この日は、飲み屋で知り合った仲間達ちと朝まで飲んでいた。彼の陽気で明るい性格にみんな集まるのだ。日頃の疲れか、目はいつも充血している。夜更かしのせいか、猫のせいか、酒の飲み過ぎか、仕事が終わると必ず飲みに出ているカリスマ理容師だ。


下駄を履いて夏祭りに行けば、爪をはがし血を流しあるいたり、川原で転んで痛がっていたり、生傷のたえない男でもある。


そんなフトシが引っ切り無しにゴミが入ったと思われる右目を気にして手で擦っていた。


「すげぇ、痛てぇかも。」

フトシは立ち止まり言った。

「フトシ、大丈夫かぁ~?」


パンチパーマの男が千鳥足でフラフラとしながら、フトシに話しかけた。

この泥酔している男の名前は「イチノセ」、ペットショップのオーナーだ。今時珍しいパンチパーマがトレードマークの少し下品でいかつい男だ。

つい先日もゴールデンレトリバーの交尾を見たことをフトシと喜んで話していた。

フトシの家にいるデブ猫も実はイチノセのもとで買っている。


そうこうしているうちに、フトシは目を痛がってその場でしゃがみ込んでしまった。


「フトシ!そんなもん気にしすぎだよ!」

イチノセがグイッと力任せにフトシの身体を起こさせた。

「うわぁ!!」


イチノセはその場にしりもちついて叫んだ。

みんなもその声に気付き、フトシとイチノセのいるほうを向いた。


それはあまりにも変わり果てた姿だった。


フトシの右目は赤くただれ腫れ上がり、血が流れていた。



つづく