go toキャンペーンに頼らずお客を増やすマーケティングとは?
旅行のためのお金を補助してくれる経済政策である「go toキャンペーン」が東京だけ除外になりましたが、日本全体では経済の復興に向けて人の移動が多くなってきていると思います。
しかし、待っていてお客が来るわけではありません。
そして東京のように、期待していた経済政策が急遽中止になるかもしれません。
今回は旅館のマーケティングについて、南原竜樹氏が語っている章をレビューしていきます。
集客を担当している店舗責任者や営業の仕事をしている方のヒントになれば幸いです。
南原竜樹氏は普通のビジネスでもそうであるように、新規顧客の増加、そしていかに新規顧客からリピーター客へ育てるかが大事かを説きます。
新規顧客を獲得するために自前の広告媒体を持ったりテレビに取材させる方法とは?
旅館ビジネスは普通のビジネスと違い、今までは旅行エージェントが集客を行なっていました。
しかしそれが古い慣習となり、新規顧客を自ら情報発信して獲得という事を怠る原因になりました。
新規顧客を獲得するには前回女将の役割でお話しした、SNSなどを使う方法で旅館自体が広告媒体を持つ事が大切です。
もちろん楽天やじゃらんに代表される、まだまだ元気なネットエージェントもあるのでそこを活用する事も効果的です
実際に旅行をする際、検索して写真の雰囲気などで選ぶ場合も多いですよね
そして影響力が下がったとはいえ、テレビ番組も強力な広告媒体です。
テレビ番組にプレスリリースを送る方法、送ったプレスリリースがすぐ捨てられずに読まれるためにどうしたらいいか?も具体的に書かれていました。
南原竜樹氏も注目されたから取材が来たのではなく、取材されるために泥臭い事もしている事がわかり、必読の価値ありです
リピーターを増やす感動体験!朝ご飯の小さな感動が次の感動を運んでくる
新規顧客だけ増えて、二度と利用されなければ旅館は潰れてしまいます。
そのためにリピーターを増やす必要があり、リピーターを増やすためには感動体験の提供が一番と南原竜樹氏は言います。
例として、青森屋という旅館の「みちのく祭りや」をあげています。
みちのく祭りやは体感ショーレストランで、食事中に従業員がねぶた祭りを踊って見せてくれるというサービスを行なっています。
これはまた見たくなりますよね。
しかし、小さな感動体験をたくさんしてもらう事も大切と南原竜樹氏は言います。
少しでも喜んでもらうという純情な感情がリピーターに繋がっていくのですね。
南原竜樹氏が監修する呼帆荘(こはんそう)では、朝食の玉子が必ず双子玉子になっているのだそうです。
黄身が双子の玉子は実は形が違うようで、割る前からわかるそうです
「昨日はお風呂気持ちよかったな〜。落ち着く旅館だし癒される。」
「玉子食べよう。あっ!双子玉子!」
となれば旅の良い思い出になります。
しかし、純情な感情ってやつは1/3も伝わらないんですよね…
南原竜樹氏によればアンケートで「満足」のお客はリピートしないとか。
アンケートで「大満足」と答えた人がリピートするようです。
そして、感動すると現代ではTwitterやInstagramでシェアしたくなります。
小さな感動が新規顧客も連れて来るという事です。
人を喜ばせる事、人を感動させる事が仕事というのは少し羨ましいですね。
これから営業マンの歩む道は、ヒラメ筋か頭の2択
最後に南原竜樹氏は旅館の営業マンのあり方を述べています。
今までは旅行エージェントに対して足を使って回り、少しでも来客を増やしてもらうように営業をしていました。
照英のようにヒラメ筋を若手に見せつける営業が幅を利かせていました。
しかしこれからはいろいろなメディアを使い、それこそテレビ番組のプロデューサーを接待するなど今までの常識に囚われず、頭を使う営業が求められると南原竜樹氏は言います。
自分もとあるイベントの集客をした時に、考えずにとにかく頑張ろうというように集客し、結果ヒラメ筋が発達した事は言うまでもありません。
考えるという事は意外と体力を使います。
しかし相手の感動する事を考えると思えば楽しく仕事もできますね。
感動を与えるためのヒントにするためにも、本屋さんで見かけた際には手にとってみてはいかがでしょうか。