7月28日15時37分配信 産経新聞
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牛丼並盛りの値引きキャンペーンを開始した吉野家=28日午前10時22分、大阪市西区の吉野家阿波座店(門井聡撮影)(写真:産経新聞)
牛丼大手の吉野家が28日、期間限定で並盛りを従来から110円値引きし270円とするキャンペーンを開始し、関西圏で大手3社の値引き合戦が火ぶたを切った。ただ、1日早く27日から割引をはじめた「すき家」や、6月以降、近畿2府4県では値引き価格を据え置いている「松屋」は、並盛り250円と吉野家を下回る価格で包囲網を敷く。消費者の低価格志向が強まる中で、各社の最安値をめぐる戦いは、さながら“真夏の消耗戦”の様相を呈してきた。
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http://www.sankeibiz.jp/business/news/100726/bsd1007261325007-n1.htm
この日、午前10時から割引を始めた吉野家。大阪のオフィス街にある阿波座店(大阪市西区)は、キャンペーンの開始を待って、早めの昼食に訪れたビジネスマンや若者らでにぎわった。
牛丼業界では、松屋を運営する松屋フーズが昨年12月に牛めし並盛りを380円から、業界最安値となる320円に値下げする価格改定を実施。直後にすき家を運営するゼンショーが、通常330円だった並盛りを280円に価格改定し、低価格競争が勃発(ぼっぱつ)した。
すき家は価格改定後も、4、6、7月と値引きキャンペーンを期間限定で行い、今回で4回目。一方、松屋も全国では、すき家と同様のペースで値引きを行っているが、近畿2府4県では6月のキャンペーン以降、値下げ価格を継続する積極策で反転攻勢に出るなど、価格面での囲い込み競争が激化している。
これに対し吉野家は、入学や就職で新規顧客開拓が見込める4月は他社に対抗し、値引きを行ったものの、「価格競争には加わらない」と370円の並盛り価格を維持し、両者と一線を画す戦略をとった。
その結果、今年4月以降の月次業績(既存店ベース)では、顧客1人当たりの単価はほぼ前年並みを維持したものの、客数、売上高は前年を15%近く割り込むなど業績が悪化。「他業態も含めた外食の低価格競争による影響も少なからずある」(吉野家ホールディングス)というように、他社の厳しい値下げ攻勢が業績にも影響を及ぼしつつある。
一方で、すき家は客単価が前年比で1割程度下落したものの、売上高では前年を2割、客数では前年を3割強上回る好業績。同様に松屋も単価は1割減少したが、売上高は2割弱前年を上回っており、吉野家とは明暗を分けた。
すき家、松屋とも「値下げで利幅は縮小したものの、客数、売上高の伸びで一定の利益は確保できている」と述べており“薄利多売”の事業モデルで一定の成果を上げている。これに対し吉野家の4~6月期決算では、牛丼関連事業の営業利益が前年同期の約57%減にあたる約3億円に縮小するなど、他社の攻勢に防戦を強いられている状況だ。
飲食業界に詳しい関係者は「すき家、松屋と違い、吉野家は比較的、原価の高い米国産牛肉を使用しており、採算分岐点が高い。今回の値引きは吉野家にとってぎりぎりの決断だった」と指摘する。ただ、足元では豪州産牛肉の市況も高騰しつつあり、すき家や松屋の原価面でのアドバンテージも、将来的には少なからぬ影響がある。人気再燃のきっかけとなるか、価格競争の行方は不透明だ。