私はここ数年、最下層をさがし続けている。地面に這いつくばり泥水を顔面に浴びながら、私より下の人間をさがしている。
怠け者で人でなしで横暴で醜悪で、努力を知らず苦労を知らず現実から逃げ回る、ゆえに着るものも食べるものも住むところもなくしたような、そんな腐りきった人間をさがしている。
頭上には綺麗な服を着て美味しいものを食べて暖かい布団で眠る人達が数え切れないほど存在しているだろうに、そんなモノに目をくれる事も、もうない。サンタクロースを信じなくなった子どものように、そんな存在はおとぎの国の夢物語だと思い込も うとしている。
私が欲しいのは私より下の人間。できれば同じ年の頃の、女が良い。暗闇で涙も枯れて絶望している、バカで救いようのないその人をみつけて、ぎゅっと手を握り、目をみつめて、少しだけぎこちなく笑って、そうして誰も気にとめない地球の端っこで、二人で塵になるまで佇んでいたいのだ。
最下層の彼女は見つかるんだろうか。もし見つかったとして、彼女は私を見留めてくれるのだろうか。最下層に見えるものは地獄の鬼だけなのかもしれない。
今のところ私にはまだ、地獄は見えていない。
そこ、厨二病とか言わない。