俺の見間違いじゃなければ、あいつはーー…
幸い、その男はすぐに見つかった。
秀「光啓!」
後ろ姿に向かって呼びかけると、ゆっくりとその男が振り返った。
?「秀…太?」
光啓は、サングラスを外し、驚いたように呟いた。
秀「光啓!やっぱり光啓だ!」
光「秀太ぁぁぁあ!会いたかった!」
そう叫びながらスーツケースを放りっぱなしにして駆け出し、俺に勢いよく飛び付いた。
秀「だあーっ!暑苦しいっての!」
光「秀太、元気にしてたか?」
秀「ご覧の通り!どうだった?アメリカは」
光「いやぁ、やっぱスゲーよ!施設とかとにかく馬鹿でかいし、日本じゃ見たことないような機械とかたくさんあった!」
秀「何かよくわかんねーけど楽しかったようで何よりですな(笑)」
光「そりゃあもう!唯一大変だったのは、日本語が使えなかったことだな」
秀「当たり前だろ!(笑)」
光「いやいや、こんな俺だけど『ハロー』くらいは喋れるんだぜ?」
秀「ひでえ(笑)」
光「ひでえって何だし(笑)」
秀「本当にこんなんで、アメリカまで行ったのか…すげえな」
俺がそう言うと、光啓は口角を上げた。
光「俺に出来ないことは無いさ」
秀「うっわ、なんかムカつくわー(笑)」
光「がーん!」
秀「あ、そうだ。今日の夜って空いてるか?」
光「おう。俺も久しぶりに秀太とゆっくり話したい」
秀「そう思って。じゃあ、また連絡する」
光「おっけ。俺は久しぶりに浦ちゃんにご挨拶して来ますわ」
秀「浦ちゃん…ああ、なるほど」
浦ちゃん、というのは、1年前まで部署にいた先輩刑事だ。元光啓のバディで、光啓がアメリカに行くのとほぼ同じタイミングで異動して行った。
光「そ、今度また浦ちゃんと仕事できる事になったんだ」
秀「おお、良かったじゃん!」
光「まあ、今回はバディとしてじゃなくて部下としてだけど」
光啓は口を尖らせてそう言った。でも、顔は嬉しそうだ。
秀「浦さん、遂に上司になったのか!」
光「今のところ部下は俺だけみたいだけど」
秀「なんだそれ(笑)」
光啓と俺は、顔を見合わせて笑った。
久しぶりだけど、いつもと全然変わらなかった。
…という和やかな時間もつかの間。
インカムに無線が入った。
『〇〇町3丁目××にて、銃を持った男が暴れているとの通報。付近の捜査員は、至急現場へ急行』
銃を持って暴れてる…って、この近くじゃないか。
秀「光啓、悪い。俺行くわ」
光「事件か?」
秀「ああ、銃持った男が暴れてるんだと」
光「俺も、行ってもいいか?」
秀「生憎、拳銃は持ってないんだ。…頼む」
光「任せとき」
それだけ交わすと、俺らは現場に向かって走り出した。
To be continued...