現場に着くと、通報通り銃を持った1人の男が路上で何やら騒いでいた。
その周りでは、シールドを持った例の人々(わかるよね?)、その後ろで数人の捜査官が銃を構えて男に向けていた。
光「…クスリでもやってんのか」
秀「さあな。今の所身元不明だから」
俺は、先ほどまで一緒に聞き込みをしていた先輩刑事のところに、事情を聞きに行った。
秀「遅くなってすみません。これはどういう状況でしょうか」
「見ての通り、路上で立て篭ってるよ。かれこれ30分になる」
秀「厄介なことにならないと良いですけどね…」
「とりあえずお前も、銃はまだ持たずに後ろで待機だ」
秀「了解です」
先輩の指示通り、俺は銃を構える捜査官の後ろに付いた。
指示無しの光啓も、俺の横に来た。
光「なーなー、あんなもんさっさと撃ち墜としちまえばいいんじゃねーの?」
秀「そういうわけにもいかないんだよ、手順ってもんが」
光「だって、ただの拳銃だぜ?」
秀「ただの拳銃、されど拳銃。オッケー?」
光「…俺、アメリカ帰りだから日本語分かんねえ」
そう言うと光啓はおもむろに拳銃を取り出し、男に向かって撃ち込んだ。
秀「おい、バカ!」
発砲音が辺りに響き渡る。
視線が一気にこちらに向いた。
そして、当の本人は「どんなもんよ」とドヤ顔で男に歩み寄った。
なんと光啓は、あの遠距離から見事に銃だけを狙い、撃ち落としたのだ。
秀「…すげえ」
思わず声が漏れた。
俺は、光啓の後を追いかけた。
光啓は、怯えている男に撃ち落とした銃を持って見せ、言った。
光「これ、ガキの玩具じゃねーんだぞ。分かってんのか?」
男「う…うるせえ黙れ!」
男は力一杯光啓の顔を拳で殴り、建物の間の僅かな通り道から逃走して行った。
秀「おい、待て!」
俺は、「痛えよ!」と叫んでいる光啓を放置して、男の後を追い掛けた。
男は、なかなか逃げ足が速かった。
秀「このままじゃ鬼ごっこだ…」
そう呟いたとき、公園で遊んでいる数人の男の子たちが目に入った。
傍らには、遊び終わったのかこれから遊ぶのか、サッカーボールが置いてあった。
秀「ちょっとこれ借りるよ!」
俺は精一杯叫んで、男の子の返答を待たずに駆け出した。
サッカーボールを手にしたまま男の後を再び追い、男の背中が見えたところでボールを手から離して、一気に蹴り放った。
男「ぐおあっ!?」
ボールは見事男の背中に命中し、間抜けな声を上げて崩れ落ちた。
秀「うっしゃ!」
俺はそのまま男に追いつき、馬乗りになって手錠を掛けた。
秀「午後3時38分、銃刀法違反の容疑で現行犯逮捕」
そう言い終えたとき、後ろから捜査官や先輩、そして頰を押さえた光啓がよたよた歩いて来た。
To be continued...