実話に基づいた映画『殿、利息でござる!』の中で、打ち首にもなりかねない危ないシーンがある。
それは、馬にも籠にも乗らない理由を言うシーンで、松田龍平扮する冷酷な役員が、
「籠に一番乗るのが誰か、存じているのか?」と、一喝する場面だ。
一瞬、首が飛ぶかと思われるような緊張が走る。
。。。。。
しかし、お咎めがない。
それは、何故か?
それは、守銭奴と言われた厳しい浅野屋の父親(山崎努)が幼い息子二人に毎日聞かせた学問があったからだ。
致良知。
知行合一。
これらは、陽明学ということだ。
浅野屋に受け継がれていた陽明学について
殿は、どう感じていたのか?
250年前に
タロットdeタイムスリップ!
過去に、心中が落ち着かないカードが出ています。それを聞いた事は、失意とともにこれは真面目に取り組まねばならぬと思われたようです。
表層意識では、
このままいくと困難な状況になる。
潜在意識でも、
逃げ出したくなるような感情が出ています。
しかし、それは信頼できる者であると信じ、
気持ちが二転三転しながらも
相手の考えを覗いてみたかったのでしょう。
欲求にはやはり皇帝=統率者のカードが出ています。
したがって、陽明学を知る者は信頼はできるが、
これは後に言うことを聞かぬ者になるのではないかと言う危機感を感じていたようです。
(当時、統率する側の学問は朱子学であって、陽明学ではありませんでした)
また、映画では、
役員からこの話を聞いた殿が
わざわざ浅野屋までやってきて、
酒の命名をし、酒蔵が潰れないようにという配慮がありますが、それがフィクションであったとしても、その裏には自分が統率できる環境を先に作ったと言うことが推察されます。
後に、この陽明学が明治維新を起こす志士たちの学問となります。


