Q. 自分とまったく同じ人間が現れたら?
A. 生きてりゃ似た人間もいるだろうさ。
Q. どちらが本物?
A. 私も私が本物か分からない。
本物だと言う理由を教えてほしい。
Q. 二人で話し合うなら?
A. 紅茶を飲みながら、そもそも本人って何?という話をする。
Q. どちらか一人しか存在できないと言われたら?
A. なんで?
戸籍が一つしかないから?
国民が一人増えたら何か問題がある?
Q. 二人で暮らせる?
A. 寂しくない。
毎日鏡を見ていれば、そのうち飽きると思う。
Q. 何日目から考えていることがズレる?
A. 分からない。
一日目かもしれないし、一時間後かもしれない。
目が覚めた瞬間には、もう違う可能性もある。
Q. 一年後、二人の性格が違っていたら?
A. 二つの個性を持った私が、それぞれ別の時間を生きて、大きくなった個性がそれぞれ違っただけ。
多分、その個性はどっちにもある。
Q. いつから他人?
A. 私の頭の中が読めない人は他人。
最初から他人だと思う。
Q. 35歳の自分をクローンにしたら、クローンも35歳?
A. 分からない。
0歳なのか、35歳なのか。
体細胞核移植なら核DNAはほぼ同じになる。
では、エピジェネティックな情報は?
テロメアは?
細胞老化は?
経年劣化は?
そもそも年齢とは何を指すんだろう。
Q. 0歳のクローンは自分?
A. だって、私なんでしょ?
Q. 私が死んだら、クローンも死ぬ?
A. 身体が別なら死なない。
では、病気は?
同じ遺伝的要因なら、同じ病気になる?
同じ時期に?
同じ経過で?
分からない。
Q. クローンの日記を読む?
A. 読む。
他人の思考を覗き見なんて、滅多にできないもの。
私と同じ記憶から始まった人間が、私の知らない一年を生きた。
何を考えていたのか知りたい。
Q. クローンが先に死んだら?
A.
死んだのは私?
私がクローン?
クローンが死んだ?
私が死んだ?
勝って嬉しい花いちもんめ。
Q. 結局、クローンは自分?
A. 分からない。
本人とは何なのかも分からない。
あー私は幸せな不眠症だ